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From: "Hidenori Narita" 
Date: Mon, 21 Jun 1999 12:43:58 +0900
Subject: [shogi]名・6・柏(その3




(その3)

21:20
99手目■3三桂不成〜104手目□2九竜、とFAX。
(先崎君)「ワタシ流にはこの■3三桂不成は評判悪し、です。
  これは悪手でしょう。」
100手を越えた。プロの将棋の場合、一局の平均手数は110〜
120手くらいではないだろうか。ただし今日の戦形(穴熊)は
もっと手数がかかる傾向にあるが。

21:23
「名人が登場だ」後ろのほうから声があがる。だれかと思ったら、
石田和雄9段。彼は柏道場の師範役だったか、経営者だったか、
どちらかである。数年前に奥様の実家の近くという事で、柏市内に
不動産を購入して越してきたらしい。物件を紹介したのは、将棋界
の不動産王、田中寅彦9段だそうな。今回の柏での大盤解説会は、
この石田9段の努力と毎日新聞社の協力のおかげで実現したらしい。
今年が初めてで、今後も続けていきたいとの事。よし、僕も足繁く
毎回来る事にしよう。
(石田9段)「棋譜、棋譜、棋譜、棋譜をみせて下さい。あれから
  どうなったか、見ますので。.....(現在の局面を見て)
  (後手の)角が遊んでますねえ。玉にヒモをつけているような
  角じゃあ、ダメねえ。」
会場からはどっと笑いが。
(先崎君)「どっからそんな発想が出てくるんでしょう。」
この時点での残り時間を先崎君が計算してくれる。
先手佐藤名人=52分、後手谷川9段=18分。
いつの間にか会場は超満員。立ち席も満員。熱気むんむんだ。
ひとつだけ残念なのは、女性の気配が感じられない事だ。しょうが
ないか。女性の将棋オタク人口は、少ないに決まっている。

21:35
石田9段の機転で、観客席からアマチュアを引っぱり出す。1人目
はミワカズオさん。アマチュア強豪で、穴熊しか指さない人らしい。
(ミワさん)「私はいつでも穴熊側を持って考えます。」
穴熊側が優勢だったからだろうか、彼はうれしそうだった。

21:50
2人目はイトウタカシ君。石田9段によると、彼は現役の高校生で、
最近行われた竜王戦の千葉予選で優勝したらしい。千葉竜王である。
5年前には石田9段の道場で5級だったそうだ。
(石田9段)「この子は、5年で全国クラスになった子です。
  君は悪いのを逆転するのが得意だけど、これはどう?」
さすがのイトウ君からも、自信ある答えは返ってこず。

21:52
105手目■4二竜〜110手目□7七桂、とFAX。
(石田9段)「■4二竜ですか?これは悪手?□7七桂で逆転か?
  いやいや、言うのはタダ。いやあ、逆転してねえか。いやあ、
  4二竜は良い手かも。」
石田9段は思った事をどんどん言うので、面白い。テンポも良いし。
もちろん、先崎君もテンポが良いし思った事を歯にものを着せずに
言うのだけれども、質が全然違うのだ。

22:03
(石田9段)「次回(の大盤解説会)はいつ? いやまだわかりま
  せんよ(本局の結果は)。6月17日(木)ですね。」

22:07
111手目■7七同銀〜114手目□7六歩、とFAX。
残り時間:先手佐藤名人=40分、後手谷川9段=7分。
(石田9段)「(■同銀、■同角に対して)はずみで取ってしまう
  もんなんですよ。」
えー、名人戦で『はずみ』って事があるのだろうか。残り時間も
沢山あるのに。石田9段は本気で言っているんだろうか。それとも
観客にうけようと思っての発言なのだろうか。いやいや、たぶん
本気なんだろう。少なくとも彼自身にとっては。彼は本当に時々
はずみで取ってしまう事があるのだろう。(注2)

(注2)
 第7局の解説会の席上で石田9段が自ら話していたが、彼は半年
 くらい前の対局で、加藤一二三9段の王手に対してそれを防がず
 に負けた事があった。手順の検証が終わり、勝ったと思った矢先
 に3手先の指し手を指してしまったという訳。いやはや。

22:18
(石田9段)「きたネ」
FAXが「ピー」という音を出すと、彼は嬉しそうにつぶやく。
115手目■7五桂〜118手目□6四銀。
(先崎君)「(117手目の6八角を指して)どうなんでしょう、
  これは.....おかしいですね。」
先崎君によれば、7七の角を逃げずにどんどん攻めれば佐藤君は
谷川玉を寄せる事が出来たらしい。大盤でもいろいろと動かして
変化を示してくれた。ただし、怖い筋がいくつかあって、それが
読み切れなかったのかもしれないし、ほんとに危なかったのかも
しれない。僕には難しすぎて判らない。

22:28
(石田9段)「きたきた」
119手目■8三桂成〜126手目□8三同玉。
この手順は、大盤解説で先崎君が示してくれていたのと同じだ。
もう、筋に入っているのかもしれない。

(その4に続く)
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キヤノン株式会社 取手事業所 映事品質計画1課 成田秀則
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