NEC杯レポート Part 19
成田です。
NEC杯レポート(その19)です。
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9.予選第5ラウンド〜第8ラウンド
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の続きです。
予選第7ラウンド(vs INDONESIA 戦)の#13をプレイの問題
として(その18)で出題しましたが、阿部−清水ペアのテーブル
でのプレイ&ディフェンスを詳細まで確認する必要が生じたため、
こちらサイドでの出来事については後日報告する事とします。
前回のプレイ問題に対して考えて下さった皆様(坂本さんを始め
とする)は、以下のフルハンドを見ながら楽しんで下さい。以下の
報告は取材ホヤホヤ版。(ゲラーさんへの電話取材:3/22夜)
Rd7−#13 <エアーポケット>
AK
双方バル QJ7543
J
J963
Q9765 J4
AK10 6
Q3 A1098652
852 AQ7
10832
982
K74
K104
ゲラー 荻原
W N E S
1H 2D 2H
2NT 3C 3D 3H
3NT P P P
ゲラーさんによると、「このボードは非常に興味深いボードだっ
たが、ビッド、プレイ、ディフェンス全てにおいて、とてもトップ
レベルのプレーヤ達がやっているとは思えないボードだった。」
という事になる。
オープニングリードはハート5(4thベスト)。Wはハート10
で勝って、ダイアQを流した。ここまで坂本さんと同じプレイ。
実戦では荻原さんはダイアQを勝たせた。そして.....Wはダイア
を続けてしまった。Nのゲラーさんは即座にハートQをディスカー
ドしてハートのA、Kが無いことをSの荻原さんに知らせ、the
end。NS側がベストディフェンスをするための情報交換は既に
終了し、ハートは出さずにダミーと勝負すれば良い。1ダウン。
以下、ポストモーテムがどんどん続きます。(協力:ゲラー氏)
(1) 実はメイクしていた。
WはダイアQが勝った時点でもう一度トリックを数えなおせば、
簡単にメイクしていた。すなわち、ダイアQ勝ち、ハートA勝ち、
ダイアA、ダイアx→ダイアK、とすれば良い。おそらくWにとっ
ては、ダイアQが勝つというのは予定外だったのだろう。これぞ
「エアーポケット」だと思う。
(2) ダウンチャンスもあった。
戻って、ダイアQするするに対してSはすぐにダイアKで勝ち、
ここでハートではなくスペードをリターンしてダミーと勝負すると
ダウンする。でもこれはシングルダミーでは難しいだろうとゲラー
さんも言う。ハートリターンが普通だし、まあそれよりもダイアQ
をホールドする方が自然だ。
(3) その前にはメイクチャンスがあった。
Wは第1トリックをハート10で勝ったあと、ハートAも取ってか
らダイアQと負けに行けばメイクであった。ただしこのプレイは、
ダイアを2回負ける必要がある時にNSのハートエスタブリッシュ
を助ける事になるので、非常にやりにくいプレイ。クラブKのフィ
ネスのメもあるので、ハートAキャッシュはしにくいだろう。
(特にダブられていたらなおさら。)
(4) そもそもオープニングリードでキリングリードがあった。
これはゲラーさんからの考察結果報告。ゲラーさん曰く「オープ
ニングリードでスペードKを出せば良かった。これならダウン。」
どういう事かと言うと、スペードK、ハートQと出すのだそうだ。
こうすることによってSには、「NがハートA、Kどちらも持って
いない事および、スペードA、Kを持っている事」が判る。だから
SはダイアQが流れてきた時にすぐにダイアKで勝ちスペードをリ
ターンしてダウンさせる事ができるだろう、というのがゲラーさん
の解析結果。なあるほど。
なお、反対側テーブル(3NTx)でのプレイ&ディフェンスに
ついては取材が完了次第、(その19−1)と題して報告予定であ
る。
(つづく)
成田です。
NEC杯レポート(その19−1)です。
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例の「3NTx」のビッド&プレイ&ディフェンスの詳細が判明
しましたので、以下にご報告致します。
(取材協力:阿部弘也さん)
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・予選第7ラウンド(vs INDONESIA 戦)より。
Rd7−#13 <すごいぞ Mr.Manoppo!>
AK
双方バル QJ7543
J
J963
Q9765 J4
AK10 6
Q3 A1098652
852 AQ7
10832
982
K74
K104
清水 Lasut 阿部 Manoppo
W N E S
1H 2D P
2NT P 3NT Dbl
P P P
コントラクト:3NTx by W
Mr.Manoppoは最初はやはり「2H」とビッドしなかったそうだ。
阿部さんによると「彼は黙っていて後でダブルのが好き」らしい。
オープニングリードはハート3。(アティチュード)
(注:アティチュードのリードとは、「リターンをして欲し
ければ一番小さいカードを出す」という約束。)
第1トリックはSからハート8が出てWのハート10が勝つ。ここ
で清水さんは長考。結局S(Manoppo)のダイアがKJの3枚以上
とゲスしてダイアQを出して流した。ここからのMr.Manoppo が
すごい。彼は「すぐに」ダイアKで勝ち、「スペード」にシフト!
NのMr.Lasut はさすがに間違わない。ディフェンス側はダミーと
お話をすれば良く、唯一気をつける点は「クラブでSにスローイン
してしまわないようにする事」だけ。このボードで阿部−清水ペア
は13IMPの失点を覚悟した。
成田が「Mr.Manoppoはすごいなあ」と思ったのは2点。
①「最初にビッドせずにじっと我慢して最後にダブった事」
すぐにハートをサポートしてからダブルよりも、全くサポート
しないでダブルほうが、効果てきめん。彼がダイアのKJxを
持っているだろうとほとんどの人(阿部さん以外の人は)は推測
してしまうだろう。
②「ダイアQをすぐにダイアKで取ってスペードにシフトした事」
これは全てのハンドを想像する力がないと、かなり難しいと
思う。シグナルが出ているわけでもないし。
という訳で、「清水さんがもしかしたらインドネシアのWと同様
のプレイをしてしまったのかもしれない」という僅かながらの疑惑
(清水さんごめんなさい)は完全に解かれたのであった。
(その19−1)は終わりです。
引き続き(その20)以降をお楽しみ下さい。
以上