NEC杯レポート Part 10
成田です。
NEC杯レポート(その10)です。
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7.予選第3ラウンド(vs TAIPEI Don Fun 戦)
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の続き第4弾です。
Rd3−#5 <うっかりうっかり>
7
NSバル K72
Q74
AKJ432
952 AQ4
109864 AQJ5
1086 KJ53
65 108
KJ10863
3
A92
Q97
成田 阿部
W N E S
2C Dbl RDbl 2C=プレシジョン
P P 2D P
P 3C P 3S
P 3NT P P
P
上のビディングシーケンスはなんか変なのだ。なぜ成田は最初の
機会に2Hとビッドしなかったのか。実はNの2Cに対して、Sが
アラートをしなかったのだ。成田は2Cはアーティフィシャルスト
ロングと反射的に反応してしまい、阿部さんのダブルの意味を必死
でゲスしようとしたため、思考が後戻りできなくなっていたのだ。
阿部さんのダブルがなければ思い出せたかも。結局、阿部さんの
ダブルはクラブスートだろうという結論になって、Sのリダブルに
対してパス。阿部さんの2Dに対して頭の中を混乱させながらパス
するとNが3C、Sが3Sとなってまわってくる。この時点でやっ
と気がついた。でももうどうしようも無かった。
阿部さんのOLはハートJ。成田はこのリードを見て、またまた
頭の中が混乱しながらH6を出した。Nはこれを取らずに2トリッ
ク目のHQをHKで取りすぐにS7を出して9トリック目をスチー
ルに行くが、さすがに阿部さんはSAで勝ってすぐにハートを打ち
抜き1ダウン。成田の「うっかり」は阿部さんのキリングリードに
よって救われた。しかしながら局後の識者による見解は、「アラー
トが無かった事によって自分たちが損害を受けたと思った時はディ
レクターを呼んで調整スコアを要求する事ができる」。確かにそれ
はそうなんだけど。
この話を書きながら、3年前のNEC杯を思い出した。3年前は
成田−伊藤が本大会に初めて(というか、これっきりっぽいが)
招待された大会であるが、予選敗退した成田は準決勝のビューグラ
フを見に行った。(会場はセブンシティ)そこで事件が起きた。
阿部−陳ペアのどちらか一方が、プレシジョンの1Cをアラートし
なかったのだ。アラートを聞かなかったプレーヤは1Cはナチュラ
ルだと思い、プレシジョン1Cに対するCRASHディフェンスが
頭の中からぽっかり抜けていたらしくディザースタとなった。その
ハケットチームはディレクターを呼び、ディレクターの裁定に対し
て上告、調整スコア(7.2IMPが移動だったか?)となった。ハケッ
トチームにとっては納得のいく最終調整結果となったが、そこに
居合わせた人たちの感想は、以下のようなものであった。
「最初からずっとプレシジョンを使っていることを知っているの
だから、たまたまアラートがなかったからと言って、うっかり
忘れておまけに上告までするのはどういうものだろう。
特にトッププロとして活躍している人たちが。」
(こんなにきつい表現ではなかったが、まあこんな感じ。
まあ日本チームへのひいき感情が反映されたコメントで
あったろう。)
でも、ハケットチームのいるイギリスではプレシジョンシステムは
ほとんど皆無だったらしいので、この感想は言い過ぎのような気も
しながら、当時の成田は「僕もアラートされなかったらきっと間違
えるだろうな」と思った。(この予想はあたった。→後述。)
おまけに、1Cとか2Cとかのプレシジョンの基本的なオープンが
アラートされなかった事に対してディレクターを呼ぶのは、初心者
で無い限りかっこが悪くて引け目を感じてしまうのではないかと思
う。だから、今回阿部さんがキリングリードをして成田を救ってく
れたのは、非常にありがたかったのである。
よし、これからプレシジョンペアと対戦する時は「プレシジョン
対策アラート色つきカード」なるものを持参して目の前に置いて
おく事にしよう。
さて、あまり思い出したくない成田の経験談を。3年前のNEC
杯のハケットチームの上告事件があってからどのくらい経ってから
だったか成田は忘れてしまったが、ある競技会でその事件は起こっ
た。「カナッペ無しのブルークラブ」というシステムを使用してい
る若い夫婦ペアと対戦した時の事である。1C(=ストロング)の
アラートが無くて成田はナチュラルだと思い、なんらかの不具合が
生じた。(ディレクターを呼ぶほどのことでは無かったと思う)
その時成田は彼らにクレームをつけたのだが、それに対して以下の
ような事を言われた。
「これまで何ボードもやっているのだから、アラートしなくたって
アーティフィシャル1Cだというくらい判るでしょ。」
この時以来、成田は彼らが嫌いである。
もとに戻って、この#5ボードの裏のゲラー&荻原ペアは5C、
5メイクだったので(うまい!)、GOINGに貴重な12IMP が入っ
た。61−28。
(つづく)