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From: "Hidenori Narita" 
Date: Mon, 21 Jun 1999 12:43:42 +0900
Subject: [shogi]名・6・柏(その1




第57期将棋名人戦7番勝負の第6局大盤解説会体験レポート

            記:1999年6月20日:成田秀則

日 時:1999年6月8日(火)19:10~23:59
場 所:柏・プールドウ イベントホール
解 説:先崎学7段
対局者:佐藤康光名人(先手) 対 谷川浩司9段(後手)
状 況:これまで谷川9段の3勝2敗。先に4勝した方が勝ち。

久々に将棋の大盤解説会に行った。将棋には7つのタイトル戦が
あるが、その中でも名人と竜王は最上位であり、大盤解説会を各地
で実施したりNHKのBSで全局放送するのはこの2大タイトル戦
のみである。今回突然大盤解説会に行く気になったのは、僕が大好
きな谷川君の3度目の名人復位の瞬間を見たいと思った事、解説が
先崎君(彼のファンでもある)だった事、解説会の体験がブリッジ
に何かしらの良い影響を及ぼすかもしれないと思った事、会場が柏
と非常に近い場所だった事、などなどである。

18:50
JR柏駅に到着。会場の場所がどこか判らないため、まずは交番を
捜す。交番のおまわりさんにはこういう時によくお世話になる。
それにしても、場所が「柏・プールドウ イベントホール」という
情報だけで、最寄りの駅が柏駅かどうかも事前調査せずに来てしま
うというのも我ながら呆れる。運良く会場は柏駅から徒歩3分の
場所に位置するビルの5Fであった。

19:10
会場に到着。受付で、住所・氏名・購読している新聞名を記入させ
られる。僕が記入した受付用紙に既に記入済の約15人は全て、
毎日新聞を購読とある。ほんとかあ?僕は一呼吸してから『読売』
と記入した。思わず「申し訳ありませーん」と受付だんなに謝る。
ほんとは僕は竜王戦(読売新聞社主催)よりも名人戦(毎日新聞社
主催)が好きだし、野球だってれっきとしたタイガースファンなん
だけど。

19:14
会場は思ったより小さく、椅子が所狭しと並べられていて80人位
で満員といった感じ。現在休憩中との事で、観客席はまばら状態。
と、目の前に先崎君。僕は緊張してしまった。「初めまして。この
度は重ね重ねおめでとうございます。」というように話しかければ
良いかしらん。彼は4月に囲碁界アイドルの穂坂2段(プロ。もち
ろん女性)と結婚し、前期順位戦(注1)でもB級1組に昇級した
ばかりなのだ。アタフタしているところへ、主催者側のスタッフ
らしき人から話しかけられる。「次の一手は応募されましたか?」
せっかく先崎君とお話しようとドキドキしていたのに、救いの手を
さしのべてくれてありがとう。おかげで先崎君とニアミスしたのは
この日はこの時限りとなってしまった。残念無念。

(注1)
 順位戦とは、ブリッジで言うと『日本リーグ&クラブリーグ』の
 ようなもの。将棋の場合は、名人がトップでその下に、A級、
 B級1組、B級2組、C級1組、C級2組と5つのリーグがある。
 ブリッジの場合と同じように、各組の上位2~3名が上のリーグ
 に昇級し、下位2~3名が下のリーグに降級する。名人戦の挑戦
 者は、A級でのリーグ戦の優勝者(今回は谷川君)である。なお
 日本将棋連盟は将棋のプロ棋士に毎月給料を払っているが、その
 基準はこの順位戦で在籍しているリーグにほぼ依存している。
 その額の比率は、B級1組の人はA級の人の約7割、B級2組の
 人はB級1組の人の約7割、というようになっているらしい。
 生活がかかっているので皆必死で戦うのである。だから、A級に
 残留する事は非常に大した事で、実もついてくるのである。それ
 にひきかえ、ブリッジの日本リーグは残留したって何のご利益も
 無い。日本リーグ一部で残留しても「はい、お疲れさん。」てな
 もん。入賞しなければレッドポイントも入らないし横浜ブリッジ
 フェスティバルにも招待されない。だから器用な人は、半期毎に
 日本リーグ2部への昇級(クラブリーグ優勝)とクラブリーグ
 への降級を繰り返し、横浜ブリッジフェスティバルへの招待券と
 マスターポイントを勝ち取る作戦に出ているに違いないのだ。

19:20
壇上左側には、第71手目(先手の手番)の候補手が大きく提示
されていた。①■5四歩、②■1六歩、③■9六歩、④その他。
「提出は19:25迄でーす」
名人戦は2日制のタイトル戦である。持ち時間が各自9時間。確か
タイトル戦の中でも最長。一日目は朝9時開始で夕方17時半に
封じ手。その間に昼食休憩(12時半~13時半)がある。二日目
は朝9時開始で、昼食休憩、夕食休憩(18時~19時)を経て
終局までデスマッチとなる。この柏会場での次の一手懸賞は、
「この夕食休憩後の次の一手は何でしょう」だった。壇上の解説用
の大盤には現在の局面が提示されている。中盤戦でこれから駒が
ドンパチぶつかり合って面白くなるところ。佐藤君が居飛車穴熊に
金銀4枚でがっちり囲み、攻めも続きそうな感じ。谷川君は高美濃
で押さえ込みを図ろうとしたが失敗した模様。谷川君、大丈夫?
とにかくヤマ勘で②と記入して即応募。僕の応募用紙を受け取った
スタッフは「おおっ」とうれしそうな声を出し、集計中のもう一人
のスタッフへそれを渡した。どうも僕の回答は少数意見だったらし
い。再度よくよく局面を見てみると、次に後手□3五歩なら飛車で
取ればいいや、と思っていた3五の地点には、7一の角が効いて
いるではないか。実戦から約20年遠ざかっているとは言え、
情けなや、情けなや、である。

(その2へ続く)

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キヤノン株式会社 取手事業所 映事品質計画1課 成田秀則
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