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From: saltm@bd5.so-net.ne.jp (塩谷真)
Date: Wed, 24 May 2000 01:52:41 +0900
Subject: 解答#3(またも長文)

塩谷です。

 ようやく最後の問題です。

 これは難題で、当初、複数の上級プレーヤから出題者の意図するところ
と違う解答が寄せられたので、

> このボードは社会人IMPで実際にあったハンドで、オポーネントは
>S:オーバービッダー、N:初級者風のオジサンです。
>
> 既に解答を送られている方も、この情報を基に解答を変更されても結
>構でございます。

このようなヒントを出して出題者の意図に沿うようにしてもらいました。
実は、出題時に私も「余詰」を消すために1時間ほど悩んだ結果、結局実
戦と同じハンドを出題したのでした(余詰とは詰め将棋で出題者の意図と
は異なる別解が存在することで、これがある詰め将棋は欠陥品です)。

<問題3> チーム戦、ボスバル。

  QJ2
  Q97
  A9432
  32

   N  A983
  W E 1054      W  N  E  S
   S  108             P  P
      Q865     1H 2D P  2NT
               P  3D P  3NT ///

 Wはハート3をリードし、ダミーから7が引かれた(4thベスト、リ
バースシグナルとします)。

問1 ダミーを見て考えたことをいくつか述べてください(ここでフルハ
  ンドがかなり読めてしまう人もいるかと思いますが、ここでは簡単な
  「感想」だけで良いです)。
−−−−−−−−

成田> →弱いダミー。こんなん作られるわけにはいかない。
 がんばってディフェンスしないと。

坂本>  こんなの作られたら大変だ!
    ますます大変だ! (ヒントを受けて)

萩原> こんなハンドで2Dオーバーコールするやつにはお仕置きが必要だ。
でも、ハート2ストッパーになったから、ダイヤモンドに5個ある時には
スペードのトリックと合わせて出来てしまうかも。

畔柳> ・ダイヤがぼろい。
・2NTをパスすればいいのに。
・パストハンドの人がゲームビッドしたのだから落ちそう。

塩谷>
1)このダミーのビッドはおかしい。2Dオーバーコールはずうずうしい。
2)2Dはまだ許せるとして、3Dは全くおかしい。2NTにパスの一手だ。
3)デクレヤラーはパストハンドではないか。それで3NTとはずうずうし
い。きっとパートナーに6枚ダイヤを期待したに違いない。
4)デクレヤラーはまさか悪い12点くらいはあるだろうが、それにしても
オポーネントは21点で3NTをやっているのだ。
5)許せない。絶対に落とさねば。こんなのを作られたら大失点だ。

 さて、皆さん、感想を読み比べていかがでしょう。私としては、成田、坂
本、塩谷の「作られるわけにはいかない」「大変だ」「許せない」という感
想を是非持って欲しいと思います。
 萩原君は「お仕置きが必要」と言っていて良いのですが、「出来てしまう
かも」という発言は心配です。こういうハンドこそ落とすべく集中して、な
んぼ長考しても良いからキリングディフェンスをすべきです。まあ、萩原発
言の後半は冷静さを示しているという点では見習わなければならないかもし
れません。
 畔柳発言はかなり心配です。「落ちそう」では困るのです。「落とす」の
です。
 では、我らの期待の星の小林君の感想を見てみましょう。

小林> バルの2Dにしては弱い。
   パートナーは13HCPあるとして、サウスは12HCPある。

 これだけかあ?
 小林君、ダミーを見ながらビッドを吟味する習慣を身につけようよ。この
ハンドは君がかつてディフェンスしたハンドで、その後私が丁寧な解説メー
ルを送ったハンドだよ。上記の塩谷感想はその時のメールを切りとってきた
ものなんだけどねえ。
 少なくとも、NSの合計点はチェックするべきです。これはディフェンス
やプレーの基礎の基礎。Sはパストハンドだという言及が無いのは全く悲し
い。

 必ずビッドとハンドを結び付けて考える習慣を身につけること。
   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

     (これも前のメールからのものです。)

−−−−−−−
 さて、ここでハート10を出すと、デクレヤラーはKで勝ち、ダイヤQ。
これが勝つと小考の後、ダイヤJを続けた。パートナーはKをカバー、A
に10が落ちるのを見てデクレヤラーは喜ぶ。そしてスペードQをダミーか
ら引いた。

問2 デクレヤラーのハンドを想定してください。
−−−−−−−

 出題者の意図としては、スペードKの有無で分類すれば、

ハンドA   ハンドB   ハンドC
Kxxx   Kxxx   10xxx
Kx     Kx     Kx
QJ7    QJ7    QJ7
Jxxx   Kxxx   AJxx

の可能性があり、Aは弱すぎ、Bは一応オープンハンドだから除外、従って
Cということになるだろうと思っていました。しかし、Aも弱いだけにより
一層警戒しなければならないハンドです。

坂本> ハンドAまたはC
成田> ハンドC

 当然のごとくこの二人は正解。

畔柳> 10xxx Kxx QJx AJx
萩原> Kxxx Kx2 QJx Kxx
小林> Kxxx Kxx QJx Kxx

 この3人はハート3枚を置いていますがどうしてかな? パートナー
は1Hオープン。ハートの絵札はAJしかなく、ダイヤは短い。となれ
ばいくら4枚メジャーとは言え、ハートは5枚が普通じゃありませんか。
3rdハンドだから2434、3433で1Hオープンする可能性も無いと
は言いませんが、この大したこと無いハートでは普通は1Cオープンで
しょう(ここでつまづくと次の問題の面白さがなくなってしまうので残
念でした)。


問3 どう、ディフェンスしますか?

成田> すぐにスペードAで勝って、ハートをリターンする。

 これが正解。
 分析は、坂本氏がしてくれました(塩谷が編集して引用)。

  QJ2
  Q97
  A9432
  32

   N  A983
  W E 1054
   S  108
      Q865

ハンドA   ハンドB   ハンドC
Kxxx   Kxxx   10xxx
Kx     Kx     Kx
QJ7    QJ7    QJ7
Jxxx   Kxxx   AJxx

坂本> SにスペードKがない場合(ハンドC)は,ウィナーがハート2
ダイヤ5クラブ1で足りないのでAであがってハートを打っておけばダ
ウン。

 これだけなら、パートナーに親切なわかりやすいディフェンスという
だけのように読めますが...。

坂本> SにスペードKがあるときはハートQが9個目でクラブ3個取
らなければならない.この場合はスペードAでとってハートを打てば,
Wにも同じ事がわかるのでクラブAKQを打ち抜いてダウン.
(ディフェンスの問題では「Wがわからなかったら...」という抗議は
受け付けかねます。)

 これは、ハンドAの場合のディフェンスになります。つまり、スペー
ドAで上がってハートを打つディフェンスは、ハンドAにもハンドCに
も備えられるディフェンスなのです。

 ここで、気づいた方もいるかもしれません。
 スペードをホールドしておけば、ハンドA、Cに加えて、オープンハ
ンドだとして除外したハンドBにも対応できるのではないかと。
 Kがある場合、デクレヤラーは更にスペードを負けに来るでしょうか
ら、それをAで上がってパートナーにクラブAJ10を期待してクラブシ
フトすれば良い。そうすればハンドAにもBにも対応できると。
 デクレヤラーにスペードKが無い場合には、ハンドCだから、パート
ナーはKで勝ってハートを出しておけばダウンだと。
 しかし、パートナーがあなたと同じくらい読める人だったらそうはな
らないでしょう。パートナーはKで上がって、あなたにクラブAを期待
してクラブシフトしてくるに違いありません。

 というわけで、他の方々は残念でした。

<フルハンド>

      QJ2
      Q97
      A9432
      32

Kx     N  A983
AJxxx W E 1054
Kxx    S  108
Kxx       Q865
      10xxx
      Kx
      QJ7
      AJ10x


<問題3の結果>
 小林君は、また... (もう、xxxx言えない)。

xxxx = 気の毒で、あきれて、こまって、


 小林君。
 今回の問題は、「考える問題」ということで、実戦から拾った難しい
問題ばかりだったから、落ち込まないで。逆にこれをはげみに頑張って
勉強してください。
 私は小林君がこういう勉強をしたら良いんじゃないかと思って出して
みたんです。小林君は、もう「覚える」段階は卒業して「考える」段階
に進むべきです。覚えるだけだったらいつまでたってもマイクロブリッ
ジにも勝てませんよ。

 問題1はシステムの理解に必要なことです。このようなこと(自分で
ハンドを配ってやるのが一番良いと思う)を繰り返しやってください。
 問題2はウィナーを数えるという基本問題を出しました。簡単だと思
ったのですが、小林君が正解を出さなかったのでがっかりでした。この
問題2が出来なければ、問題1は出来ようがありません(コントラクト
の成否がわからないんじゃ、ビッドの是非がわかろうはずがない)。

 問題3は問1さえ出来れば良いと思って出しました。これは基礎だし、
もうかなり出来るようになっていると思ったし、まさか問題として出せ
ば出来るだろうと思っていました。それでこんな答えじゃあ悲しいばか
りです。私も初級時代はそんなだったかなあ(坂本、そうだったか?)。
そうだったかもしれない。それなら仕方がないか。

#初級時代を思い返せば(昔のYBKの時代)、勉強して覚えたつもり
が、また似たようなミスをするんだよナ。似ていてもハンドって少しづ
つ違うからな。要するに本当の勉強が出来てなかったってことだ。
 私が多少上手になったきっかけは、やはりエコールの勉強を真剣に始
めたことだったかな。なにしろ最初に読んだモローのエコールと、坂本
エコール、輝子エコールはそれぞれ違うから大変だった。本もいくつか
読んだが、人によって少しづつ(場合によっては全然)違うことが書い
てある。これを明らかにすることが私のブリッジの勉強の始めだったよ
うだ。
 小林君も自分で勉強しないとどうにもならないよ。CBCの諸先輩か
ら教わるという受身の姿勢じゃなくて、利用してやろうというくらいの
積極的な気持ちでやってください。

#思わず、長い詠嘆が入ってしまいました。諸先輩も小林君にアドバイ
スしてあげてください(ああ、いつもしてるか)。

−−−−−−−−−−−−−−
塩谷 真
saltm@bd5.so-net.ne.jp
Tel 03-3705-2069

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