No.1991 | 上へ | 前へ | 次へ
From: saltm@bd5.so-net.ne.jp (塩谷真)
Date: Sat, 22 May 1999 12:07:32 +0900
Subject: 丸の内カップ#3[BR]

丸の内杯、準決勝 キヤノン対千代田化工 −3−

後半1番 ディーラーN、ナイザーバル

     K53
     AJ532
     7
     QJ32

Axx   N   10984
KQ10  W E  xxxx
Qxxx  S   x
xxx       A109x
     QJ2
     8
     AKJ10986
     K7

塩谷  坂本     オポーネント
N   S      N   S
1H  3D     1H  2D
3H  4D     2H  3NT
5D  P

 プレイングトリックの少ない手をオープンすることを嫌う塩谷であるが、
この手はさすがに開けないわけにはいかない。あまりにも手の形が良すぎ
る。ところが、シングルトンのスーツでパートナーがジャンプシフト。う
〜んパスしとけば良かった。
 坂本はスラムを追及して4Dとビッド。確かにパートナーにスペードK、
ハートA、クラブAの11点があればワンフィネスのスラムである。が、
ここでは3NTでもスラムをねらえた。5Dはどうしようもなく1ダウン。
 成田サイドでは3NTになりスペードリード。ディフェンスはスペード
2、ダイヤ1、クラブ1取ってジャストメイク。−10IMP。


後半2番 ディーラーE、NSバル

     S  KQ10x
    E W 9xx
     N  Axx
        xxx
    43
    Q65
    J8532
    AQ9


 ビッドは、どちらのテーブルも
  E   W
  1NT 2C
  2D  3NT

 さあ、皆さん、Nになってディフェンスしてみましょう。

1 OLはSからハート7。WxにQと出す、デクレヤラーはKで取って、
2 スペードxを出す。パートナーはx、ダミーからK、とりあえずカウ
 ントシグナルを開始する。
3 ダミーからクラブx、スモールを出す。

 さて、どこかおかしいところがあったでしょうか。
 フルハンドをお目にかけましょう。

    Jxxx
    A1087x
    10x
    xx

Axx  S  KQ10x
KJ  E W 9xx
KQx  N  Axx
KJ10xx  xxx

    43
    Q65
    J8532
    AQ9

 塩谷、坂本=NSのサイドでは、Nは3トリック目でクラブをAでゴー
アップしてハートを出し、3NTはダウン1となった。
 成田、清水=EWのサイドでは、Nは3トリック目でクラブ9。Eの成
田君は考えた。
「このハンドでNがクラブAを持っていればAでゴーアップして、ハート
を出すはず。9を出したということは、従って、Aは無い。」
 それで、Jでフィネスし、これが勝つ。
 こうして、メイクの道へ進んだわけだが、スペードを叩いてしまったの
でJがつかまらず、2ダウン。−2IMP。


後半4番 ディーラーW、ボスバル

       A108653
       3
       76
       AJ63

xx      N  Kx
AK8x   W E Q109xx
J105432 S  A8
x          Q10xx
       QJx
       Jxx
       KQ9
       K98x

 塩谷は悩んだ。
「この手はウィークツーには強すぎる。64ツースーター、7ルージング
トリックカウント。エコールなら1Sオープンで何ら問題は無い。しかし、
パートナーは超スラム志向プレーヤ。6Sをプレーさせられて、ぼろいブ
ラックスーツでルーザー出てダウンというのはイヤだなあ。」
 結局、日和って2Dオープン(マルチ)。ビッドは次のようになった。

   坂本     塩谷
E  S   W  N
       P  2D
P  2H  P  2S
P  P   P

 ダミーを見て、「マズイ!」と思った。ゲームルーズだ。後は、ひたす
ら、
「クラブのルーザーが出てくれ。スペードフィネスも抜けてくれ」
 と、祈るばかり。幸い、そうなっていてホっと胸をなでおろす。それど
ころか、オポーネントはゲームに行っているだろうから、これは取りだ!
 ところが、裏のテーブルではそれ以上の展開となっていた。

E  S  W  N
      P  P
1H P  2D 2S
P  P  4H   ///

 こちらのNは一旦パスして、次にビッドするという手法にでた。スタン
ダードでは良い手法であろうが、不自由なものである。
 OLはスペードQ、NはAで取って、スペードを返す。成田はKで勝ち、
ダイヤ8! Sは9を出したので、ダミーの10が勝ち。かくして4Hは
5メイクとなった。+13IMP。

#ここからは細かい話が続きます。読み物として読んでいる方は流してし
まってください。畔柳君、赤間君は勉強になるから真剣に読むこと。

 ディフェンスもヘタだが、成田のプレーは相変わらず冴えている。ダイ
ヤをA、xとやると、実戦では問題無いが、例えばNがダイヤKxxだと
SのダイヤQをKでオーバーテークしてダイヤの3枚目を続けられ、Sの
ハートJに取られてしまう(クーアンパッサンというのですよ。小林君)。
ダイヤを出す前に先にハートを刈ってしまうと、エントリーが無くなって
しまう。
 ダイヤ8は、これらを防ぐことができる。つまり、オポーネントがダイ
ヤを勝ってダイヤを返しても、Aを勝ち、ハートを刈りながらダミーに入
り、ダイヤをラフしてエスタブリッシュし、そしてハートの4枚目でダミ
ーに入ってクレームできる。つまり、ダイヤ8はダイヤが3−2ブレーク
である限り、メイクの可能性を広げるプレーなのである。
 さて、ここまで読んできて、落とすディフェンスがあるのに気づかれた
方も多いだろう。このディフェンスは、実戦でも十分発見できるし、発見
しなければならない。

<ハンド再掲>
       A108653
       3
       76
       AJ63

xx      N  Kx
AK8x   W E Q109xx
J105432 S  A8
x          Q10xx
       QJx
       Jxx
       KQ9
       K98x

 Nは、OLのスペードQをAで勝った後、クラブ3にシフトしなければ
ならない。根拠は次の通り。

1 デクレヤラーのハンドが、Kx Qxxxx Ax Kxxx だと
すると、スペード1、ハート5、ダイヤ1、クラブ1の8ウィナーに加え
てクラブラフ2で4Hはメイクする。従って落とすためにはクラブKはパ
ートナーになければならない。

2 それでも、デクレヤラーのハートがQJxxxだと、クラブを3つダ
ミーでラフされるとウィナー10個になってしまう。従って、パートナー
はハートJxxを持たなければならない。

3 それでも、放っておくとダイヤエスタブリッシュでメイクされてしま
う。従って、ダミーの唯一のエントリーであるトランプを攻めなければな
らない。クラブを出すことは、エントリーキリングになると同時に、3回
切らせてパートナーのトランプJをプロモートさせる始まりともなる。

 デクレヤラーはクラブ10とフィネスするだろうが、SはKで勝ってク
ラブを続ける。ダミーはラフする一手。ダイヤA、xとやった時、Sは再
度クラブを出す。ダミーは再びラフする一手。ダイヤをラフしてエスタブ
リッシュするが、ダミーのハートはAKダブルトンになっており、ハート
22にデクレヤラーは期待するが、トランプは刈り上がらず、ダイヤを走
ることはできない。

<つづく>

−−−−−−−−−−−−−−
塩谷 真
saltm@bd5.so-net.co.jp
Tel 03-3705-2069

上へ | 前へ | 次へ