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From: "Shioya"
Subject: Acol #18 [Br]
Date: Wed, 24 Feb 1999 11:27:25 +0900
エコールシステム入門−その18
<敵方の介入に対して>
この章ではオポーネントのオーバーコールがあった時のレスポンダーとオー
プナーの対応について検討する。
1 競り合いにおけるレイズとレスポンス
パートナーと何らかのフィットがあればレスポンダーは競り負けないよう注
意しなければならない。前に、次のハンドを1Sを2Sにレイズするミニマム
のハンドとして挙げた。
K763 104 J862 974
パートナーが1Sオープンし、2Hのオーバーコールがあっても、前と同様に
2Sとレイズする。パスして、後から4Hに4Sと出るようなことは最も愚劣
である。
同じ章で、K10xxxxと他にJ一枚が1オーバー1レスポンスのミニマ
ムであると述べた。このスーツがスペードであれば競り合いでも同じビッドを
する。
K108652 72 J94 83
パートナーが1C、右手の1Hに対してどんなバルネラビリティでも1Sとビ
ッドする。もう少し弱くなって5431のハンドでも有利なバルネラビリティ
ではビッドする。
競り合いのオークションの初期は、テニスのダブルスの打ち合いと同じと考
えられる。すなわち、ネット際を占めたほうがラリーを制することができる。
何もせずベースラインに立って優雅にパスを送るより、ぎこちない姿勢で球を
プレーしなければならなくなってもネットに近づいたほうが5回に4回は勝利
を手に入れることができる。
もちろん、オーバーコールが入ることによってレスポンスしない方が賢明な
場合もある。1NTはミニマムの6点では通常行わないし、弱いスーツをビッ
ドすることもない。
K83 Q972 9653 J5
1C−1D(オーバーコール)の後、1Hとビッドするのは何の利点も目的も
ない。
2 レスポンスの選択
そこそこのハンドで選択すべきビッドが二つある場合は、パートナーのサポ
ートを示すほうが良い。
1C 1H ?
AJ76 75 852 Q1093
オーバーコールがなければ1Sとビッドするところであるが、1Hオーバーコ
ールの後は2Cが良い。これは奇異に感じられるかもしれないが、今2Cと言
うと後から2Sと言える可能性が高いという戦術的利点がある。一方、1Sと
ビッドして後から3Cとビッドするのは言い過ぎであろう。競り合いのオーク
ションではハンドの特徴を全て示す時間はなく、従って最も重要な情報をまず
知らせた方が良い。パートナーは、サポートの保証があれば、5Cや3NTを
視野に入れて多様なビッドを駆使することができるかもしれない。
3 ランクの高いスーツでの2レベルのレスポンス
レスポンダーが2レベルでレスポンスしなければならず、それがパートナー
のスーツより高いランクだと具合が悪いことがどんなシステムでもある。
1D 2C ?
KJ1042 K9 93 7643
ビッドすべきだろうか? Qがもう一枚あれば問題無く2Sとビッドできる。
このハンドではきわどい判断となる。
塩谷の独り言:この後にもいくつかハンドの例が続くが、ネガティブダブルを
使っていると、ビッドがかなり違ってくると思われる。現在ではネガティブダ
ブルは普通に使われているので、このあたりは思いきって削除してしまおう。
4 競り合いにおけるオープナーのリビッド
敵のビッドが左手か右手かによって問題は異なる。
a)左手の敵がビッドした場合
パートナーがランクの高いスーツを2レベルでビッドした場合は若干の調整
が必要となる。
1D 2C 2H P
?
K42 J5 A8743 KQ2
明らかに2NT以外のビッドは考えられない。このようなケースでの2NTは
ある意味で強制されたビッドで、ミニマムしか示さないことになる。
K102 J5 AK953 KQ2
前の例の帰結として、このハンドでは3NTとビッドしなければならない。
1D 1S 2H P
?
J42 K3 AQ1052 AQ9
2Sとビッドしてこの状況から逃れようとするプレーヤが多いだろう。しかし、
ここでの2Sはハートのサポートがあるべきである。ここでは3Cビッドがベ
ストであろう。
b)右手の敵がビッドした場合
オープナーはリビッドする義務から解放され、「フリービッド」の状況にあ
る。古いスタイルでは余裕がある場合にのみビッドすることになっているが、
「余裕」よりも、何か「有益なもの」があるかどうかが重要である。
1H P 1S 2C
?
(1)Q5 AQ763 AJ103 92
(2)J95 AQ103 Q754 A8
(3)J5 AJ10653 A73 85
全てミニマムに近いオープンであるが、それぞれ、2D、2S、2Hという自
然なビッドをすべきである。
1S P 2C 2H
?
AQ764 Q4 KQ98 Q3
反対にこのハンドはかなり強いが、ビッドをしても戦術的な意味で何も得ると
ころがない。むしろ、パートナーが次に何をビッドするかが聞きたい。
5 競り合いにおける「リバース」
オーバーコールがあったために、オープナーがセカンドスーツを高いレベル
でビッドしなければならない時はしばしば誤解が生ずる。
1H P 2C 2D
2S
これは通常のリバースである。2Dオーバーコールはオークションのレベルを
上げていない。
1C 1D 1H 2D
2S
これはリバースではない。オープナーはミニマムではないが、通常のリバース
に必要な強さは持っていないかもしれない。
6 パートナーがリダブルした場合
リダブルしたプレイヤーは、ビッドが低いレベルで回ってきた場合はもう一
度コールすることを保証している。従ってオープナーは良いハンドではパスで
きる。逆にオープナーがビッドすることは弱いハンドを意味する。
1S X XX 2C
?
KQ10743 62 K87 103
オープナーは直ちに2Sとビッドして、パートナーに十分な強さが無いことを
警告しなければならない。2Cが無かった場合でも同様にすぐ2Sとビッドす
る。
AK864 J5 AQ62 103
オープナーはパスしなければならない。2Dは弱いツースーターを示す。
KQJ86 K9 A632 95
同様にひとまずパスである。パートナーが2Cをダブルしたり、2Hとビッド
すれば2Sをビッドする。
以上で、「エコールシステム入門」は終わりですが、最後に一つ補足してお
きます。
<フレキシブル1NT>
これまで扱ってきたリバース1NTに代わるフレキシブル1NTについて述
べる。これは1NTリビッドをバル、ノンバルに関わらず12-16とするもので
あり、より柔軟なオープンが可能となる。
432 K42 AKQ3 854
ダイアモンドは良いスーツで1Dオープンしたいが、リバース1NTではノン
バルの時、1Dオープンすると1Sレスポンスに適当なリビッドが無いので、
1NTとオープンしなければならない。フレキシブル1NTなら、1Dオープ
ンし、1Sレスポンスに1NTリビッドできる。
43 AKQ93 A53 K43
1Hオープンすると1Sレスポンスの時に適当なリビッドが無く困るハンドで
ある。フレキシブル1NTなら1H−1S−1NTとビッドできる。
★1NTへのレスポンス
2Cは次に述べるアスキングとして使う。自分のスーツのリビッドは6枚以
上で弱い。ニュースーツは荒れたハンドで弱い。リバースやジャンプはゲーム
フォーシングとなる。
1C −1H
1NT−?
2C : アスキング
2D : ハート5枚以上、ダイアモンド4枚以上、ノンフォーシング
2H : ハート6枚以上、サインオフ
2S : ハート5枚以上、スペード4枚以上、フォーシング
2NT: 11点、インビテーション
★2Cコンベンション
12-16の1NTリビッドの内容を訊ねるビッドで、考案者の名前を取って、
「クローハースト」と呼ばれる。答え方は、2Dが12-14、2NTが15-16であ
り、2H/2Sは、自分のスーツなら5枚、レスポンダーのスーツなら3枚で、
いずれも12-14である。どちらでもないニュースーツの場合は良い14点から悪
い15点を示す。
1D −1S
1NT−2C
?
2D :12−14
2H :良い14−悪い15
2S :12−14、スペード3枚
2NT:良い15−16
以上。
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