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From: SHIOYA Makoto
Date: Fri, 12 Feb 1999 09:44:05 +0900
Subject: Acol #16 [BR]
エコールシステム入門−その16
<ダブル>
1 2番手によるダブル
エコールプレーヤは常に科学派の非常に強いダブルと「形」によるダブルと
の中間を歩んできた。有利なバルネラビリティでは「役に立ちそうな」10点で
十分であろう。
QJ86 7 A106 K9653
スペードで競り合えることが1Hをダブルして良い理由である。弱いダブルで
は、5431ディストリビューションが4441(プレイで効果的でない)や
5440(パートナーがパスしたりNTをビッドすると不満が残る)より好ま
しい。次の例がバルの1Sにダブルをかける最低限度である。
92 KQ7 AJ87 KJ105
テークアウトダブルとスーツ・オーバーコール(ノンジャンプ、ジャンプ)
との選択に当たっては、オーバーコールには上限があり、明確で、この限りに
おいてはダブルより正確なコールであることに留意すべきである。
J64 AJ1084 7 AQ106
1Dには1Hオーバーコールがハンドを正確に伝える。クラブとスペードが入
れ替わっていればダブルが良い。
KJ2 AQ10853 A104 9
このハンドはスペードでプレイできるかもしれないが、1Cや1Dに対しては
2Hジャンプオーバーコールがダブルより的を射たビッドである。
2 テークアウトダブルへのレスポンス
(a)中間から良いハンド
ジャンプレスポンスはミニマムより良いハンドを示すが、ノンフォーシング
である。しかし、ミニマムより良いハンドだからといってレスポンダーは常に
ジャンプしなければならないというわけではない。
K973 J5 K83 Q762
1レベルのダブルに対して2Sにジャンプする必要は無い。パートナーが1S
の後、ビッドできなければゲームの可能性は無いからである。パートナーが2
にレイズしても自信を持って4をビッドすることができないことも論拠となろ
う。
Q1062 943 AK52 86
これは1Hダブルに対してはジャンプすることもある境目のハンドであるが、
1Cダブルにはジャンプしない。このような区別をつける主な理由は、パー
トナーはダブルしたスーツが短いことが多いので、ダブルをかけたスーツ以
外にダブルトンを持つ方が望ましいからである。
#塩谷の独り言:この辺りは少しアンダービッドだが、ダブルを相当安いハ
ンドでしているので、こういうふうになるんだナ。
J53 KQ1093 A65 J5
1Dもしくは1Cのダブルに対して2Hをビッドする上限である。1Sダブル
に対しては3Hへのジャンプは適切ではない。これより弱いハンドでジャンプ
することもあるから、このハンドでは4Hをビッドする。
ベストコントラクトに疑問のある強いハンドではオポーネントスーツのキュ
ービッドが解決になる。
1D X P ?
(1)KQ4 Q6 A62 Q8643
(2)Q7 AQ875 J104 A92
(3)K1065 AJ83 854 K10
(1)ではダイアモンドの持ち具合が3NTへのジャンプには不適切である。
2Dとビッドし、2Sにはレイズ、2Hに対しては再び3Dとビッドする。
(2)で4Hは無謀かもしれない。時にはパートナーは両メジャーのサポー
ト無しにダブルしていることもある。2Dとキュービッドし、ダブラーが2S
なら3Hとビッドでき、パートナーは状況を理解するだろう。パートナーの次
のビッドが3NTなら凝った戦術が報われたということになる。
(3)はダブルがミニマムならゲームは薄いがキュービッドが依然正しい。
これが正しいスーツを選べる唯一の方法である。
(b)悪いハンド
次のようなハンドでは1Hダブルに対して何とビッドするのが良いだろうか?
10xx xxxx xxx Jxx
多くのプレーヤは「低く押さえるために」1Sとビッドする。しかし、ダブラ
ーはスペードをレイズする可能性が非常に高いから、多くの場合「低く押さえ
る」ことはできない。ここでは2Cとレスポンスした方が無事に生き延びられ
る可能性が高い。ダブルに対して3枚のメジャーをビッドする時は、埋め合わ
せとなる強さが必要である。
(c)1NTレスポンス
一般的にダブルに対する1NTレスポンスはミニマムより強いレスポンスと
みなされている。
J76 10843 QJ86 K10
1Dダブルには1NTが最も良くハンドを表す。クラブKが無ければ1Hとビ
ッドする。
一方、メジャースーツに対しては1NTは積極的なビッドとは限らない。
KJ104 63 8542 742
1Sダブルに対して1NT以外のレスポンスは不自然である。
(d)レイズ、リダブルがあった後のレスポンス
サードハンドがリダブルした時は、レスポンダーは非常に弱いハンドや適当
なビッドの無い平凡なハンドではパスすることができる。同時に、リダブルの
後のビッドは決して強さをあらわすものでもない。
Jxxx x 10xxxx xxx
1S−ダブル−リダブルの後では、パートナーが2Hをビッドするのを看過す
るべきでなく2Dとビッドする。しかし、ハートとダイヤモンドが入れ替わっ
ていれば差し当たってパスするのが正しい。
3 ダブルに対するサードハンドの行動
セカンドハンドがテークアウトダブルをかけた時、オープナーのパートナー
はほとんどの場合、普通にビッドすべきである。ゲームやペナルティを取る可
能性のある10点以上のかなり良いハンドではリダブルする。中間のハンドまで
は1NTやスーツテークアウトのような普通のレスポンスをする。このような
ビッドはリダブルしなかったことにより上限があるからノンフォーシングであ
る。弱いハンドや示すべき内容の無いそこそこのハンドではパスする。
★ダブルに対する2NT
トラスコットコンベンションと呼ばれ、リミットレイズのハンドを示す。最
初このコンベンションはメジャーにのみ適用されたが、マイナーにも広げられ
た。
★サードハンドのジャンプ
ダブルに対するジャンプの意味(1C−ダブルー2H、1S−ダブル−3D)
は年とともに変遷をたどってきた。その時々、1ラウンドフォーシング、かな
り良いハンドではあるがノンフォーシング、シャットアウトビッドなどとして
プレイされてきた。善し悪しは別として、現在のスタイルはQJ10xxのス
ーツと他にはたいしてないというプリエンプトである。この扱いはサードハン
ドが次のようなハンドの時は多少問題を引き起こす。
5 KQ9642 K1042 J3
1C−ダブルの後、1H、2H、リダブルのいずれも満足できるとは言いがた
い。最上の方法はパスし、後からオークションに入ることであろう。
4 バランシング・ポジションでのダブル
前に説明したようにフォースハンドのオーバーコールの上限はおよそ13点か
ら14点である。従ってより良いハンドはダブルして示す。
ダブルは良い形をしていれば8点くらいから行って良い。
6 K10752 QJ85 K106
1Sの後、パスが二つ続いた。2Hは大失敗となるかもしれないので、ダブル
する。
5 あいまいなダブル
テークアウトダブルかペナルティダブルかがわかりにくいケースとして次の
ような例があげられよう。
1D P 1NT P
2D X
このシークエンスではオポーネントの強さは制限されているが、パートナーが
まだビッドする機会があり、ダブラーはバランシングポジションではない。次
のようなハンドを持っていてペナルティとしてダブルしているのかもしれない。
AJ4 K7 AQ108 7542
しかし、次のようなハンドでパートスコアを競り合いにきているのかもしれな
い。
Q8543 K1074 4 KJ2
経験を積んだパートナーシップはこのような状況で両方のハンドでダブルして
いる。パートナーはハイカードとトランプの持ち方からどちらのダブルか判断
できるであろうと考えているのである。
6 1NTのダブル
1NTのダブルはバランシングポジションにおいてもペナルティである。
1S P 1NT P
P X
セカンドハンドのプレーヤは、オポーネントのスーツが長いという理由で、最
初にかなり強いハンドをパスすることがしばしばある。このダブルはスペード
に長さを持つペナルティダブルと断言してよいだろう。
オープニングビッドの1NTをダブルするには少なくともオープナーと同じ
強さが必要である。バランシングポジションでは更に強い必要があるが、プレ
ーヤの多くはこのことを認識していない。
K10 KQ1062 53 AQ76
ウィークNTの後ろではそこそこのダブルである。パスされれば良いリードが
あり、ハイカードの位置も良いはずである。
しかし、オープナーの前に位置している場合は介入するのは危険である。パ
ートナーはダブラーのスーツを見つけるとは限らず、ハイカードがつかまって
いる可能性も高いからである。
★1NTダブルに対してのレスポンス
強弱にかかわりなくバランスハンドではダブルをスタンドすべきである。バ
ランスハンドでダブルを落とすことができないのなら、一般的に逃げ出した結
果はいっそう悪いことが多い。
かたよったハンドではバルネラビリティと位置の要素を考える必要がある。
QJ10852 83 K105 72
味方がバルで敵がノンバルである。左手の敵がウィーク1NTでオープンしパ
ートナーがダブルした。
最上のビッドは恐らく3Sであろう。1NTのディフェンスでこの長いスペ
ードが役割を果たす可能性は低いからである。一方、右手が1NTオープンし
パートナーがダブルしたのであれば、オープニングリードができ、エントリー
もあるだろうから、ダブルをスタンドすべきである。
次回は、「プリエンプト・ビディング」です。
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玉川事業所
記録技術研究所
記録技術研究企画課
塩谷 真 salt@csp.canon.co.jp
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