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From: "Shioya" 
Subject: Acol #12 [BR]
Date: Mon, 11 Jan 1999 23:17:52 +0900

エコールシステム入門−その12


<2オープンと2Cオープン>
1 エコール2オープン
 2S、2H、2Dオープンは1ラウンドフォーシングである。この2ビッド
の最大の目的は、1レベルのオープンから始まるシークエンスでは十分表現で
きないハンドを取り扱うことである。これが何を意味するかを説明するため、
スタンダードアメリカンでは1Hオープンを勧めているハンドを例に挙げてみ
よう。

  5 AKQJ104 A82 KQ6

エコールプレーヤーにとって、このハンドを1でオープンするのは、巨像を狭
い道に追い込むに等しい。1のオープンがこれほど強いとすれば1H−1S−
3Hといったシークエンスに過度の負担がかかる。エコールではこのハンドを
2Hオープンすることで、1レベルオープンの示すハンドをより狭く限定でき
る。

 エコール2オープンには3つのタイプのハンドがある。第一は上の例のよう
な6枚以上のワンスーターで、2つ以上のスーツにクイックトリックがあり、
8プレイングトリック以上を持つハンドである。「2つ以上のスーツにクイッ
クトリック」というのは、次のようなハンドはエコール2オープンにはふさわ
しくないという意味である。

  5 AKQJ10987 832 6

このハンドは確かに8トリックはあるが、ディフェンシブトリックが皆無であ
り、2Hオープンではなく、4Hオープンすべきハンドである。
 エコール2オープンの第二のタイプのハンドは、55以上のツースーターで
8トリック以上を持つハンドである。

  AKQ53 AQJ107 K6 4

  KQJ975 2 AKJ102 4

いずれも2Sオープンする。長いスーツから、また長さが同じ場合は上のスー
ツからオープンする。
 第三のタイプは、強くて1レベルオープンにはふさわしくないが、かといっ
2Cオープンには適当でないハンドである。このタイプのハンドがもっとも判
断が難しい。このようなハンドでは次の二つのテストを試す。
 1 1でオープンすると残りの3人がパスしてゲームを逃す危険が高いか?
 2 1でオープンするとレスポンスによっては強さを示すことが困難となり
そうか?

この二つの質問のいずれか一方に当てはまれば、2オープンが正しい。

  AJ874 AQ5 AK763 −

プレイングトリックには欠けるが、オープナーとして1Sオープンの後3回パ
スが続くのが非常に心配である。そこで2Sオープンする。

  3 AKJ82 AQ105 KJ3

更にプレイングトリックに乏しく、また5−4でしかないが、パートナーにハ
ートのサポートとマイナーの1アナーだけで4Hができてしまいそうである。

  QJ9754 AKJ AK2 6

Qトップのスーツでの2オープンは気が進まないかもしれないが、前述のテス
トのいずれにも当てはまる。
 逆に2オープンすべきでないハンドを以下に示す。

  AQ53 4 AK732 AQ4

1Dが流れてゲームルーズする恐れは低いし、レスポンスされればスペードで
ジャンプしてハンドが示せる。

  5 AQJ974 KQJ62 3

プレイングトリックは十分あるが、A3枚とメインスーツのKを欠くハンドは
2オープンには不適当である。


2 エコール2に対するレスポンス
★2NTレスポンス
 弱いレスポンスは2NTである。これは、1クイックトリック未満のハンド
と、もう少し強くても適当なビッドのないハンドでビッドする。

  K108742 103 7 J954

  J982 754 KQ3 Q63

  KJ5 732 84 K10742

2Hオープンに対して上記の3つのハンドはいずれも2NTとレスポンスする。
 2NTレスポンスの後、オープナーの単純なリビッド(最初のスーツを繰り
返す)はノンフォーシングである。スーツテークアウトはすべて1ラウンドフ
ォーシングとなる。
 スーツテークアウトに対して、レスポンダーの単なるプリファランスはノン
フォーシングであるから、少しでも価値があるハンドではゲームビッドしなけ
ればならない。上記の例では、2H−2NT−3Dに対して、二番目と三番目
のハンドでは4Hとジャンプすべきである。一番目のハンドでは3Sとビッド
し、これはフォーシングである。

★レイズ
 エコール2オープンをシングルレイズするのは、サポートとポジティブハン
ドの他に少なくともAを一枚保証する。ダブルレイズは逆にAを否定する。

  J32 A872 QJ74 54

2Sを3Sにレイズする。

  Q104 72 KJ83 K742

2Sを4Sにレイズする。この後、パートナーがスラムに興味を示せばKをキ
ュービッドする。また、4NTのアスキングはKを訊ねるビッドになる。

  Q1042 73 K8653 J7

このハンドは良いサポートがあるが、セカンドラウンドコントロールを一つ持
つだけにすぎないので、最初は2NTとレスポンスする。

★スーツテークアウト
 スーツテークアウトには良い5枚以上のスーツと、2レベルでは1クイック
トリック、3レベルでは1.5クイックトリック必要である。

  7 KQ10753 84 J642

2Dには2Hとレスポンスするが、2Sには2NTである。
 トップカードを欠くスーツをレスポンスするのは極力避ける。

  Q762 A5 J10743 K6

3レベルレスポンスできる強さがあるが、2Hには3Hとレイズする。ダイア
モンドをビッドしてパートナーにコントロールの位置について誤解を与えては
ならない。

  QJ76 54 K742 AK5

2Hオープンには3Cが最上であろう。
 滅多に無いことだが、ソリッドスーツを持っている場合にはジャンプする。
例えばAKQJxxのスペードがあれば、2Hオープンに3Sとビッドする。
 またセミソリッドスーツ(例えばKQJ10xx)は、一度2NTとネガテ
ィブレスポンスした後ジャンプすることによって示せる。

★3NTレスポンス
 これは10点から12点のバランスハンドを示す。サポートと1Aあればレ
イズするから、3NTはこのような価値は無いことも示している。コントロー
ルの多いハンド(たとえば2A)では、3NTではなく他のビッドを考えるべ
きである。


3 エコール2Cオープン
 2NTより強いバランスハンドと、少なくとも5クイックトリックあるハン
ドを示す。クイックトリックは例外的に4.5もありうる。
 2C−2D−2NTは23-24のバランスハンドを示し、レスポンダーはパス
できる。これ以外のシークエンスはすべてゲームフォーシングである。
 2Cかエコール2オープンかの判断の問題は、パートナーが与えてくれるか
もしれない微妙な情報に関心があるかどうかということを考えてみる。

  AKQ1074 A84 AK5 6

このハンドではパートナーのKJxxxのハートや、Q10xxxのダイアモ
ンドは大変有益であるから2Cオープンする。2S−2NT−4Sでは赤いス
ーツの情報を得ることは全くできない。

  A AKJ64 A10 KQ1093

今度は、パートナーが2Hに対して3Dとビッドできる良いダイアモンドを持
っていない限りパートナーのスーツには関心は無い。
 ダイアモンドがメインスーツの時は、時間的な理由から2Cより2Dでオー
プンした方が良いことがある。

  AQ4 AKJ8 AK10952 −

ベストコントラクトを見つけるには時間がかかるかもしれない。2Cでなく、
2Dでオープンすることにより、1ラウンドのビッドを節約することができる。
 2C−2D−3Hといったジャンプビッドはトランプを確定し、レスポンダ
ーにAを示すように要求するビッドである。レスポンダーはAがあればそのス
ーツをビッドし、無ければ3NTをビッドする。これ以後のレスポンダーのキ
ュービッドは、Kもしくはサポートとシングルトンを示す。

★2Cに対するレスポンス
 弱いハンドは2Dとレスポンスする。
 そこそこのハートとサイドにQくらいあれば2Hレスポンスして良い。

  Q4 KJ1076 85 J642

  107 AQ63 J765 543

いずれも2Cオープンに2Hレスポンスする。
 一方、2Sレスポンスは、やや良いハンドで行うべきである。オープナーが
2Dレスポンスに2Hリビッドを予定している場合にビディングスペースを奪
うからである。

  KJ1076 Q4 85 J642

先ほどのハンドのスペードとハートを入れ替えただけだが、今度は2Dとレス
ポンスするのが良い。
 2NTレスポンスはK2枚を含む少なくとも8点、3NTはK3枚とJ1枚
と同等のハンドを示す。3NTはビディングスペースを奪うから、高めの基準
でビッドするのが望ましい。
 3レベルのレスポンスは、1ラウンド分のビディングスペースを費やすから、
かなり良いスーツと1.5クイックトリックが必要である。
 エコール2に対する時と同様、一度目のジャンプでソリッドスーツを、二度
目のジャンプでセミソリッドスーツを示すことができる。

★2ラウンド目のレスポンス
 2C−2D−2H等の後、サポートが無く非常に弱いハンドでどのようにビ
ッドするかは色々なスタイルがある。

a 2NT。これはエコールで古くから使われている方法であり、オープナー
にスラムの判断がしやすいという利点がある。しかし、弱いハンドがNTのデ
クレヤラーになってしまう可能性があるのが欠点である。

b ランクがすぐ上のスーツをビッド。ハーバートネガティブと呼ばれる方法
であり、最もビディングスペースを奪わない。しかし、2C−2D−2Hの後、
ナチュラルにスペードが示せない、示すには3Sになってしまうという欠点が
ある。

c ナチュラル。「適当」と思われるビッドをする。絵札のある3枚スーツな
どもビッドされるかもしれない。レスポンダーのスーツがわかりにくいという
欠点があるが、2Dとネガティブレスポンスしたハンドでは問題にならないこ
とがほとんどである。

 エコールプレーヤが取り決めなく組んでいる場合は、aの2NTネガティブ
が合意されていると考えるべきである。
 オープナースーツにサポートがある場合には、次のようにビッドを使い分け
る。以下のハンドを持っていて、2C−2D−2Hとなったとしよう。

  32 J754 J764 832

まず2NTとビッドし、次にハートをサポートする。

  32 J754 K764 832

今度はすぐに3Hとレイズする。

  3 J1054 K764 Q643

4Hとレイズする。これは良いハンドだが、ファーストラウンドコントロール
は無いことを示す。
 
  3 J1054 A764 Q643

3Hとレイズし、次にダイアモンドをキュービッドする。
 2Cオープンに対する2レベルレスポンス、特に2Hレスポンスの要件は低
いから、2Dレスポンス後のメジャー、特にハートは、非常に弱いハンドでビ
ッドして良い。

  62 Q8643 J654 73

2C−2D−2Sの後では3Hとビッドする。


 次回は、「スラムビディング」です。



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