No.1558 |
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From: SHIOYA Makoto
Date: Fri, 18 Dec 1998 18:33:28 +0900
Subject: Acol #8 [BR]
塩谷です。
今までの調子でゆくと完成が3月くらいになってしまうので、少しスピード
アップします。週一だったのを、時々週二で送ります。
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エコールシステム入門−その8
<オープナーのリビッド−続き>
2 2オーバー1レスポンスに対して
リビッドの選択の原則は、1オーバー1レスポンスの後と同じである。強さ
を限定し形を良く示すビッドがあれば、それが最上のビッドである。
★NTのリビッド
2レベルレスポンスは8点以上を保証する。従って、2NTリビッドには15
点が必要である。上限は悪い17点で、かなり平均したハンドを示す。
KJ4 AK1072 AJ9 72
1H−2Cには2NTとリビッドする。
セカンドスーツがあっても2NTリビッドするのをためらってはならない。
AJ983 AJ8 KQ73 10
1S−2Cの後、2NTは2Dよりはるかに意味のあるビッドである。ハート
とダイヤモンドが入れ替わっていても2NTとリビッドし、まれに悪い結果を
招いても責任を担おう。それよりも、4枚のメジャーを隠してNTをプレーし
た方が頻繁に利益を得ることができるだろう。
2レベルレスポンスの後の3NTリビッドは良い17点からスラムの無さそう
な20点を示す。これは大変良いビッドだから寄り道してKJxxといったセカ
ンドスーツをビッドするようなことをしてはならない。
★レスポンダースーツのレイズ
1レベルレスポンスのレイズと比較して大きな違いは、良いトランプサポー
トは必要が無いことである。パートナーは普通5枚スーツを持っているし、さ
もなくばいかなる事態にも対処できる強さがあるはずである。
AQ832 54 K106 AJ8
1Sオープンし、2Hに対しては2Sリビッド以外考えられないが、2Cに対
しては3Cとレイスする。前回述べたように、ノーマルな強さのハンドでは同
じスーツのリビッドはできるだけ避ける。また、4枚クラブと4枚スペードで
は1Cオープンするから、この3Cリビッドで事実上5枚スペードを示すこと
ができる。
AK104 KJ 8653 A92
1S−2Hに対しては、3Hが最上の選択である。
1H−2C−4Cのようなダブルレイズはフォーシングである。
★オープナースーツでのリビッド
前にも述べたが、強さを示すことができるビッドがあるなら、同じスーツを
繰り返しビッドしてはならない。
AK975 74 AJ83 96
1S−2Hの後では、3レベルで新しいスーツをビッドするほど強くないから
2Sしかビッドできないが、1S−2Cに対してはダイヤモンドを示すべきで
ある。
パートナーが2レベルでビッドした時は、ジャンプリビッドの要件は多少低
くなる。
K8 AJ10962 A93 Q8
1Sレスポンスに対しては2Hしかビッドできないが、2Dまたは2Cに対し
ては3Hとビッドする価値がある。2レベルレスポンスに対するジャンプリビ
ッドもフォーシングではないが、最初のレスポンスが基準以下でない限りパー
トナーはもう一度ビッドするであろう。
★スーツテークアウト
パートナーが2レベルでレスポンスすれば、スーツテークアウトは1ラウン
ドフォーシングである。これは、以前のエコールではノンフォーシングであっ
たが、1ラウンドフォーシングとすると少し強めのオープナーのハンドがさば
きやすくなる。
K4 AK752 KJ3 QJ4
1H−2Cに対して、オープナーは3NTとゲームに突っ込む強さがある。し
かし、4Hの方が良いコントラクトかもしれず、2Dとフォーシングビッドを
してパートナーの反応を見ることができる。
パートナーの2レベルレスポンスに対しては、リバースの要件は低くなる。
J7 KQ84 AK743 Q6
ノンバルなら1Dとオープンし、2Cには2Hリバース、1Sには1NTリビ
ッドを予定する。バルなら1D−1Sの時リビッドに困るから、1Hオープン
が優れているだろう。
3レベルの新しいスーツは2ラウンドフォーシングである。"promise rebid"
とアメリカで呼ばれているもので、オープナーはもう一度ビッドすることを保
証している。最低の強さはリバースよりやや強い。
Q2 AK984 J7 KQ54
1H−2Dの後の正しいビッドは2NTである。ダイヤモンドJがKに変われ
ば、3Cが妥当なビッドである。
このような3レベルのビッドは、強さを示すために3枚スーツで戦術的に使
われることが多い。次のようなハンドでは非常に役立つ方法である。
AQ1087 53 A106 AK5
1Sオープンし、パートナーの2Dには3Cが安全で重宝である。
3 ジャンプシフトに対して
パートナーのジャンプシフトは、強さに上限は無く、スラムの可能性がある。
ビディングスペースへの配慮がリビッドの組み立て全体に影響を与える。NT
のリビッドでない限り、オープナーが正確にハンドを示すことは稀である。ミ
ニマムのハンドでも、スラムを意図しているような良いハンドでも同じビッド
をすることがある。
★NTリビッド
一般原則は、普通のレスポンスに対して行うのと同じリビッドをするという
ことであるが、必然的に1レベル高くなる。例えば、1D−2H−2NTは、
1D−1H−1NTと同じ強さを示す。同様に、1S−3C−3NTは、1S
−2Cに2NTをビッドするような良いハンドを示す。
1C−2H−3NTは、サインオフでもなければ桁違いに強いハンドでもな
い。1C−1Hに2NTとジャンプするハンド、すなわち17-18くらいを示す。
その一方、1C−2H−2NTは良いハンドで戦術的にビッドされることがあ
る。
AQ3 Q83 K5 AQ1053
1C−2Hの後、どうビッドするか。17点あり、パートナースーツにサポート
もあるので、スラムは必ずあるはずである。ここでの最善は、2NTで時間を
稼ぎ、パートナーの意図を明らかにすることである。当面パートナーに誤解を
与えるかもしれないが、パートナーの次のビッドは重要な情報となるであろう。
★レスポンダースーツのレイズ
パートナーのジャンプシフトをゲームにならない範囲でレイズするビッドは
強さの上限がない。ミニマムかもしれないし、強いこともある。
ダブルレイズは、素晴らしいトランプサポートがあるがそれ以外はミニマム
のハンドを示す。
74 KQ105 AJ9532 8
1D−2Hに対しては、4Hにレイズする。この種のジャンプレイズをする機
会をのがしてはならない。このビッドでしか、ハートAxxxのパートナーに
トランプルーザーが無いことを納得させることはできそうにない。
★オープナースーツのリビッド
ジャンプシフト後のリビッドにも上限は無い。ジャンプリビッドはソリッド
スーツを示す。ゲームレベルでされた場合、更にハンドは限定される。
62 AKQJ83 98 QJ3
1H−3D、もしくは1H−2Sの後、4Hへのジャンプでハンドを示すこと
ができる。
A2 AKQJ83 98 QJ3
今度は、ジャンプシフトの後、スラムに行くのはほぼ確実であるから、さしあ
たって3Hとビッドするべきである。
★スーツテークアウト
ジャンプシフトの後では、オープナーは時としてリビッドの制約を無視して
セカンドスーツをビッドすべきである。
AK975 74 AJ832 9
1S−2Hには2Sとしかビッドできないが、1S−3Hには4Dとビッドす
る。これは2つのスーツのアナーに加えてクラブシングルトンがあり、コント
ロールが多いことによる。
4 レイズに対して
シングルレイズには平均した16点はパスすべきである。2NTリビッドは、
5枚スーツの16点もしくは17-18点を示唆する。
メジャーでオープンしたオープナーが3レベルでセカンドスーツをビッドす
ることをトライアルビッドと呼ぶ。これは、パートナーのレイズが弱くない限
り4をビッドするのを求めている。トライアルビッドは、通常オープナーがサ
ポートもしくはラフを必要とするスーツで行われる。
A7 KQ1082 K4 K1032
このハンドで、1H−2Hの後のトライアルビッドは3Cである。
マイナーオープンの場合は、2巡目のメジャーのビッドはストッパーを示し、
3NTトライの意味合いを持つが、レスポンダーはこれが純粋にスーツである
可能性も考慮し、4枚サポートがあればレイズすべきである。
AK42 AQ9 KJ873 5
1D−2Dの後、オープナーはスペードのゲームの可能性を追及する。
7 AKJ AKJ852 J107
1D−2Dの後、3NTもしくは5Dを狙う動きとして2Hとビッドする。
1S−2S−3Sのようにオリジナルスーツを3レベルでリビッドするのは
セカンドスーツのビッドに比べ消極的である。
AQ10764 KQ6 K83 3
1S−2Sの後、3Sとビッドする。
このシークエンスは、マッチポイントにおいては、相手のバランシングビッ
ドを防ぐ戦術的ディフェンシブビッドとして使うのが良い。これはバービッド
と呼ばれ、スーツが特にハートの場合、有効である。
★3レベルのレイズに対して
ジャンプレイズはノンフォーシングではあるが、オープナーがパスすること
はほとんどない。オープンはしたが、戦術的オープンだったか、プレイングト
リックの少ない4432、5332といったタイプのハンドの時のみパスとな
ろう。
Q3 AK83 A952 963
653 AKJ72 K86 J4
いずれも1H−3Hの後、パスする。
5 NTレスポンスに対して
★1NTレスポンスに対して
パートナーが1NTレスポンスし、オープナーが弱いかたよったハンドを持
っている場合、テークアウトすべきだろうか。多くのプレーヤがこの判断を誤
る。
まず第一に注意しなければならないことは1NTでは満足できないからとい
って逃げ出すのは間違いだということである。
AQ1052 Q84 K865 J
1S−1NTの後、パスする。1NTでマイナスのスコアが心配かもしれない
が、2Dや2Sとビッドしてはならない。どちらのビッドも2つの理由から誤
りである。第一にノンフォーシングで強さを示すビッドではないとはいえ、コ
ントラクトのレベルを上げるという意味において積極的である。第二に、たと
え2Dもしくは2Sでプレーできたとしても、プラスのスコアの可能性が増え
るという保証は何もない。1Sに対して1NTとレスポンスしたパートナーは
スペードが短いことが多く、オープナーのシングルトンスーツを4、5枚持っ
ていることがしばしばあるからである。
最後に指摘した点を更に詳しく見てみよう。次の二つのハンドを比較して欲
しい。
KQJ72 82 AQJ6 J5
1S−1NTの後、2Dをビッドする根拠は全くない。パートナーは丁度逆の
2425ハンドを持つ可能性が高い。
97 J6 KQJ73 AQJ4
1D−1NTの後、パートナーがメジャーをビッドしなかったことはマイナー
に6枚、おそらくこれ以上持っていることを示唆しているから、2Cとビッド
するのは正しい。
パートナーの1NTレスポンスに対して、バランスしたハンドではリビッド
に問題はない。パートナーに6−9点を仮定して、17点からそこそこの18点で
2NTにレイズする。
1H−1NT−3Hのようなオープナースーツでのジャンプはノンフォーシ
ングである。1H−1NT−3Dのような新しいスーツでのジャンプは、1ラ
ウンドだけフォーシングである。
KQ6 AQ842 AJ87 6
1H−1NTに3Dとビッドする。この後、パートナーが3Hとしかビッドで
きなければパスする。
★2NTに対して
スーツテークアウトは全てフォーシングであるが、ゲームフォーシングでは
ない。1H−2NT−3D−3Hの後、オープナーはパスしても良い。このシ
ークエンスでの3Dは5枚ハートを示すために3枚でビッドされることがある。
82 AQ963 AK4 J84
1H−2NTの後、3Dとビッドする。3枚サポートがあれば3NTより4H
の方が良いコントラクトである可能性が高い。
1H−2NT−3Hといったオープンスーツのミニマムのリビッドは、消極
的なビッドである。コントラクトに不満足というだけの理由でレベルを上げる
ことに対して再度警告したい。
AJ1074 5 Q82 KJ83
サードハンドで1Sとオープンしたところ、パートナーは勘悪く2NTとレス
ポンスした。安全そうなコントラクトを見つけることを期待して3Sや3Cと
ビッドしてはならない。パートナーが最善を尽くすことを期待しよう。この場
合に限っては、ノンフォーシングであった方が好ましいが、3Cはフォーシン
グであることを忘れてはならない。
★3NTに対して
メジャーの4レベルリビッドは3NTよりこのコントラクトの方が好ましい
という以上の意味は持たないのに対し、4レベルのマイナーは建設的でスラム
トライである。
1D−3NTの後、オープナーが4Dとビッドしたとしよう。この後、レス
ポンダーはレイズ、もしくはキュービッドをするか、4NTとサインオフする。
5のマイナーへのジャンプは、長いがハイカードの少ないハンドを示す。
4 A3 QJ96432 K87
1D−3NTに対しては、5Dをビッドする。
次回は、「レスポンダーの2回目のビッド」です。
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玉川事業所
記録技術研究所
記録技術研究企画課
塩谷 真 salt@csp.canon.co.jp
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