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From: SHIOYA Makoto
Date: Mon, 14 Dec 1998 19:23:11 +0900
Subject: Acol #7 [BR]
エコールシステム入門−その7
<オープナーのリビッド>
四種類のリビッドがあり、そのうち三つまではリミットビッドである。
★ノートランプのリビッド
バランスハンドを示し、もっとも良く点数の範囲を表すビッドである。
★レスポンダースーツのレイズ
エコールにおいて、ダイレクトレイズはすべてハンドの強さを余すところな
く示すリミットビッドである。
★オープナースーツのリビッド
このビッドもリミットビッドであるが、2および3レベルのリビッドは広い
範囲のハンドをカバーする必要があることから、前述の二つに比べやや不正確
である。
★スーツテークアウト
普通のスーツテークアウトは、広い範囲をカバーするビッドであるが、無制
限というわけではない。ニュースーツでのジャンプはゲームフォーシングであ
る。
以上の四種類のビッドをどう扱うかは、基本的に次のように考える。もし、
最初の三通りのビッドの一つでハンドを都合良く示すことができれば、これを
選ぶ。できなければ、スーツテークアウトし、次の回にハンドを詳しく示す。
次の順番で四種類のビッドを色々なオークションに当てはめてみよう。
1 1オーバー1レスポンスに対して
2 2オーバー1レスポンスに対して
3 ジャンプシフトに対して
4 レイズに対して
5 NTレスポンスに対して
1 1オーバー1レスポンスに対して
まず、パートナーのミニマムの強さを考えてみよう。普通は6点のはずであ
る。この仮定に基づいてリビッドする。パートナーがもっと強ければそのうち
に明らかとなる。もっと弱かったとしても、それはパートナーの責任である。
★NTリビッド
一般的に、2NTができる目安が22-23点、3NTが25-26点、24点は境界線
である。33点あれば6NTがプレーできる。
NTハンドの評価にあたっては、長いスーツのフィット、コントロール、そ
れにスポットカードが点数の価値以上にトリックを取れるかどうかの重要な要
因である。20点と4点が向かい合うよりは、12点と12点というように二つのハ
ンドの点数が平均して分布しているのは強みである(分散原理と呼ばれる)。
更に、ディフェンダーの一方に点数の大部分が集中している場合の方が3NT
が作りやすいのも確かである。
「その4」で述べたように、1NTリビッドの基準はバルネラビリティによ
り異なり、ノンバルでは15-16、バルでは12-14の平均したハンドを示す。
場合によっては、6枚スーツでも1NTが最上のリビッドとなることがある。
K7 63 AJ7 KQJ853
1C−1Hの後、ノンバルなら1NTとリビッドする。2Cリビッドには戦術
的にオープンしたハンドも含まれ、ビッドが示すハンドの範囲が広くなりがち
である。この範囲をできるだけ限定するために、他のビッドができる場合は、
可能なかぎり、同じスーツでのリビッドは避けるようにする。
2NTリビッドには良い16点から18点、3NTには19点から20点が必要であ
る。この数字は、レスポンダーは通常最低6点持っているという仮定と一致し
ていることに注目して欲しい。
★レスポンダースーツのレイズ
パートナーのメジャーを2、3もしくは4レベルまでレイズできるハンドで
あれば、他のリビッドを考慮する必要は全く無い。
AJ87 10962 5 AQ106
1Cオープン、パートナーの1Hレスポンスの後、80日間世界一周といった探
索のビッドをすべきではない。2Hとレイズしてハンドを示す。
K82 7 A10643 KQ92
1D−1Sの後は2Sにレイズする。クラブのKがAに替われば、2Sには強
すぎるから2Cが妥当である。
レイズする際に迷う時はミニマムオープンのハンドと関連付けて考える。ハ
ンドを1トリックづつ弱くしていく毎に、まだオープンしレイズすることがで
きるかということを考えてみると良い。
KQ75 AK4 96 AQJ4
1C−1Sの後、どこまでレイズする価値があるだろうか。ハートのAKを取
り去ってもまだオープンしレイズするだけの価値がある。従って、確実なトリ
ックが二つあるということになり、4Sまでレイズするに十分なハンドという
ことになる。ハートKが無い場合は3Sまでレイズできる。
ハートがKxxの場合はどうであろうか。
KQ75 K43 96 AQJ4
これは2と3へのレイズの境界線上にある。このようなハンドでは、次の考え
方を勧める。トランプが強いときは強くビッドし、そこそこのトランプの時は
低くビッドする。上のハンドでは、3Sとビッドする。
パートナースーツのレイズに当たっては、点数に影響され過ぎないように注
意しなければならない。
1053 AQ62 6 AK1094
1C−1Hの後、3Hとビッドすべきである。LTC(ルーザートリックカウン
ト)での基準は、7ルーザーでシングルレイズ、6ルーザーでダブルレイズ、
5ルーザーでゲームレイズである。レスポンダーのシングルレイズが9ルーザ
ーであるのと同様に、1レベルレスポンスは9ルーザーである。
★オープナースーツのリビッド
エコールプレーヤがライトオープンするのは、長く強いスーツを持つ時であ
る。このようなハンドは、最低のレベルでそのスーツをリビッドすることによ
り示す。従って、ノーマルなオープンハンドで同じリビッドをするのは原則と
して好ましくない。比較的平均したハンドでは1NTを選ぶべきであることは
既に述べた。
最初のスーツのリビッドか、弱いセカンドスーツのビッドかというハンドで
は次にように自問してみれば良い。良いスーツがあったのでオープンしたのか、
それとも2スーターゆえオープンしたのか?
7 KJ10643 98 AJ72
1H−1Sの後は、2Hとリビッドすべきである。ハートがそもそもオープン
した理由だからである。しかし、このことからミニマムオープンした時は必ず
同じスーツをリビッドしなければならないという結論を導き出してはならない。
10 AK652 1087 KJ104
長いスーツにハイカードのある5431の柔軟なハンドであることがオープン
した理由である。そこで、1H−1Sの後は、2Cとリビッドする。単に強さ
を示すだけのために最初のスーツをリビッドするのは最悪のビッドの一つであ
る。
1オーバー1レスポンス後の3レベルのジャンプは、強いがノンフォーシン
グである。このビッドは、6から7プレイングトリックあり、ノーマルなオー
プンハンドより1トリック分ハイカードで強いハンドを示す。
Q9 A4 95 KQJ10432
このハンドは確かに7プレイングトリックあるが、3Cへのジャンプは勧めら
れない。あまりに広い範囲のハンドをジャンプリビッドが示すことになるから
である。確かにトリックの観点から2Cリビッドは不十分であるが、たとえパ
ートナーがパスしたとしても、オポーネントがバランシングしそうであるから、
もう一度ビッドできる機会はあるだろう。
次のハンドがマイナーで3にジャンプするミニマムである。
A8 104 AKQ1083 Q86
1D−1Hに3Dとジャンプする。3NTの可能性が高いハンドであるが、パ
ートナーの助け、少なくともアンビッドスーツに長さが欲しい。このハンドと
ほぼ同じ価値でもアンビッドスーツが少し強いハンドでは、多少点数が足りな
くても、3Dではなく2NTをリビッドすべきである。
メジャーでのジャンプはゲームの可能性がいっそう高くなっているので、も
う少し弱い手でもなされる。
K7 AJ10864 AQ2 93
1H−1Sの後、3Hとリビッドする。このハンドは6.5トリック弱しかない
が、スペードKは役に立つし、2Hには確かに強すぎる。ハートとダイヤモン
ドが入れ替わったハンドでは2Dとリビッドせざるを得ず、エコールでは扱い
にくいハンドとなる。
メジャーでの4レベルへのジャンプは、前述と同じタイプでプレイングトリ
ックのやや多いハンドを示す。
★オープナーのスーツテークアウト
ミニマムレベルのニュースーツのビッドは強さを示すものではない。1H−
1S−2Dというシークエンスはかなり良いハンドで行われることがある反面、
ミニマムの2スーターでもされる。このビッドはノンフォーシングであり、レ
スポンダーは弱い手ではパスして良い。
2レベルでビッドされたセカンドスーツのランクが最初のオープンスーツよ
り高い場合は「リバース」と呼ばれ、ある程度の強さが必要である。
K5 AQJ8 KQ962 76
この15点のハンドが1D−1S−2Hというシークエンスのぎりぎり最低限の
強さである。
例外的な良いディストリビューションであれば、ハイカードが不足していて
もリバースできる。
10 KQ974 4 AK10842
1C−1Sに2Hとリバースするのをためらってはならない。リバースには強
さが必要ということは、パートナーが弱いハンドでオープンスーツへのプリフ
ァーを望んだ時、3レベルでビッドしなければならなくなるという事実の単純
な帰結でしかない。従って、パートナーが弱くてオープンスーツに戻した時に
問題が起こるかどうかだけがリバースの基準なのである。なお、リバースは1
ラウンドフォーシングである。
1オーバー1レスポンスへのジャンプシフトはゲームフォーシングである。
AJ92 10 AKJ43 AKJ
1D−1Hの後、2Sとビッドする。「パートナーは多分このビッドをパスし
ないだろう」という理由で1Sとビッドするのは誤りである。この時点で手綱
を引き締めたところで得ることはなく、今しなくともいずれジャンプしなけれ
ばならないだろう。このように強いハンドをジャンプシフトして示さないなら
ば、他のシークエンスにゆがみをかけてしまうことになる。あまりに広い範囲
のハンドを同じシークエンスで示さないようにすることが良いビッドの基本で
ある。このように単純なことを認識しないのでアメリカのプレーヤはビッドで
多くの問題を抱え込むのである。
一般に、ゲームが確実ならジャンプシフトすべきである。悪いコントラクト
の恐れがある時は、ダイレクトにゲームをビッドするのではなく、ジャンプシ
フトによるのが良い。
QJ107 KQ3 AKJ2 K3
1D−1Hに2Sとジャンプシフトする。3NTとビッドする点数を持ってい
るが、4Hまたは4Sの方が良いコントラクトかもしれない。
また、強すぎる場合もジャンプシフトするのが良い。
AQ72 5 A102 AKJ106
1C−1Sに3Hとジャンプシフトする。このハンドではスペードが最終コン
トラクトになることは分かっており、4Sをビッドする十分な強さがある。そ
れならばもう一押ししてハートショートを示し、次にダイヤモンドをキュービ
ッドすることでハンドを十分に示すことができる。
なお、この3Hはリバースジャンプであり、現代的なエコールではスプリン
ターであってハートショートを示す。ジャンプシフトがスーツを示すか、スプ
リンターとなるかの違いは、そのスーツと強さを示すのに「不要」なジャンプ
をしたかどうかである。上記のシークエンスの場合、ハートスーツと強い手を
示すには2Hとリバースすれば十分である。従って、3Hは不要なジャンプと
いうことになり、スプリンターとなる。このようなビッドとしては、他にダブ
ルジャンプが良く知られている。
しかし、リバースジャンプがスプリンターになるということは、最近始めら
れたことであり、旧来のエコールでは、また人によっては、通常のジャンプシ
フトとして扱われ、スーツを示すことになるので、初めての人と組む時は注意
すること。
以上
次回は、「オープナーのリビッド−続き」です。
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玉川事業所
記録技術研究所
記録技術研究企画課
塩谷 真 salt@csp.canon.co.jp
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