No.1548 |
上へ |
前へ |
次へ
From: SHIOYA Makoto
Date: Mon, 07 Dec 1998 12:39:17 +0900
Subject: Acol #6 [BR]
エコールシステム入門−その6
<1の代のスーツオープンに対するレスポンス−続き>
2 中間のハンド
1回のビッドでハンドを示すことができればこれに勝るものはない。
★ダブルレイズ
ダブルレイズはメジャー、マイナーともナチュラルでノンフォーシングであ
る。
A5 Q962 KJ73 J65
1Hを3Hにダブルレイズする標準的なハンドである。10−12HCP、ルーザー
トリックカウント(LTC)で8ルーザーある。ダブルレイズには4枚サポート
が必要である。
マイナーのダブルレイズは、最終コントラクトが3NTになることが多いの
で、LTCではレイズしない。HCPが必要である。
★2NTレスポンス
通常11点から12点、例外的に10や9の多い10点、または悪い13点のハンドで
行うノンフォーシングのビッドである。
Q973 Q83 KJ8 A98
1Hオープンには2NTレスポンスすべきで1Sではない。
A43 J10 9874 AK63
一方、このハンドはスーツコントラクトに適している。1Hには2Cとレスポ
ンスすべきで、必要な点があるからといって2NTとレスポンスしてはならな
い。
★スーツテークアウト
スーツの長さが異なるときは、弱い手の時と違って、2レベルでレスポンス
することになっても長いスーツを先にビッドする。
AKJ2 J5 K9643 95
1Hオープンには2Dとレスポンス。2Hリビッドなら2Sとビッドする。弱
い手の場合は、
AJ82 J5 K9643 95
1Hオープンには1Sとレスポンスする。2Dとビッドして次に2Sとビッド
できるほど強くない。2Sはゲームインビテーション以上のハンドを示し、も
っと強さが必要である。
5−5は上のスーツからビッドする。
Q9754 8 AKJ64 93
1C、1Hのどちらのオープンに対しても1Sとレスポンスする。もっとも、
これもスーツクォリティが重要である。
87542 8 AKJ64 93
1Hには1Sだが、1Cオープンには1Dとレスポンスする。
4枚スーツしか持たない場合にはレスポンダーは先のことを十分考えてビッ
ドしなければならない。
AJ97 K753 K94 J2
1C、1Dオープンに1Hレスポンスする。これで両メジャーのフィットをの
がすことがない。これは「弱い手」の時と同じである。
AQ52 965 94 AK92
1Dオープンに対しては、2Cの方が1Sより先見の明のあるビッドである。
パートナーが2Dリビッドならば2Sとビッドし3NTに誘うことができる。
パートナーは4枚スペードあれば3Sとレイズするので、これでスペードの4
−4フィットものがすことがない。
一方、1Sレスポンスすると、1D−1S−2D−3Cと進んだ時、パート
ナーが3枚サポートで3Sとプリファーした時に、ハートのストッパーがわか
らずに3NTのかけに踏み切らざるをえなくなる。
1086 AJ75 754 AQ6
1Sに2NTではなく2Cとレスポンスする。パートナーは、こちらがクラブ
を持っていると思うだろうが、例えば3Cレイズには3Sに戻すことができ、
問題ない。この場合、オープナーのスペードは5枚以上だからである。
4枚スーツしかない場合には極力経済的なレスポンスをするから、非経済的
なシークエンスすなわち、1S−2H、1H−2D、1D−2Cは5枚を示す。
3 強いハンド
★メジャースーツのレイズ
まず、第一回の<ハンドの評価>で述べたルーザートリックカウントについ
て補足をしておく。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<第一回より抜粋>
3 ルーザートリックカウント(LTC)
a 各々のスーツのA、K、Q抜けをルーザーとカウントする。
<中略>
c 単独のQは2.5ルーザーとカウントする。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
このLTCは、数えるのが簡単というのが特徴の一つであり、更に簡単さを生か
すために、この2.5ルーザーというのを「単独のQは2ルーザー、2つのスーツ
に単独のQがある時は1ルーザー増やす」とする。例えば、
Axxx Qxx xx Kxxx
これは8ルーザー。
Axxx Qxx xx Qxxx
これは9ルーザーである。
さて、強いハンドでのメジャーのレイズは次の4通りにわけられる。
(1)4へのダイレクトレイズ
ディストリビューションに基づくレイズで、通常長いサポートを持っている。
11HCPを越えることはなく、LTCにより7ルーザー以下となるハンドでビッドす
る。
8 KQ854 Q9764 92
(2)スイスコンベンション
12-15HCP、4枚サポート、比較的バランスしたハンドでビッドする。様々な
取り決め方があるが、4Cが3キーカード、4Dが2キーカード以下という取
り決め(キーカードスイスと呼ばれる)が私の経験では多いように思う。この
場合、4Cに対して、4NTはKアスキング(Acol Direct King Asking)、
4Dに対して、4NTはAアスキングである。4C、4Dいずれに対しても、
スーツビッドはキュービッドとなる。
Q854 74 AKJ3 A92
1Sオープンに対し、4Dとレスポンスする。
(3)ディレイドゲームレイズ
メジャーにサポートがあればすぐレイズするというのがエコールの重要なト
リートメントである。すると、次のようなシーケンスは特別な意味を表すこと
になる。
1S−2D
2H−4S
4Sがビッドできるということは、良いサポートがあるにちがいないが、最初
レイズしなかったということと矛盾する。これは、例外的なレイズのハンドを
現わしており、「初めからゲームにレイズできる強さがあり、かつ良いダイヤ
モンドがある」という意味になる。次のようなハンドがその例である。
Q854 7 AKJ73 A92
(4)ジャンプシフト
更に強い手ではジャンプシフトし、次にサポートする。目安はおおよそ16HCP
であるが、トリックのあるハンドではオープンハンド程度となることもありう
る。
K854 7 AKQ73 A92
1S−3D
3H−3S
サポートがある場合のジャンプシフトは、コントロールのある短いスーツでな
されることもある。
KJ102 Q1074 AQ A82
1H、1Sオープンに対して3Cとジャンプシフトする。
★3NTレスポンス
13-15のNT向きの平均したハンドを示す。
J82 KJ7 KJ42 KQ9
1Sオープンに対して、3NTレスポンスする典型的なハンドである。
しかし、3NTレスポンスは、他のビッドでも代用できることが多い。
A83 K3 QJ76 A1094
1D、1H、1Sオープンには2Cとビッドすることができ、1Cオープンに
は1Dレスポンスできる。
更に、3NTレスポンスに向いたハンドは来ることが少ない。これらの理由
から、3NTを別の意味に使っているペアは多い。例えば、坂本−塩谷は、メ
ジャーオープンに対する3NTを、サポートのある13-15でシングルトンを持
つハンドを示すために使っている。これは、前述したスイスやディレイドゲー
ムレイズではあらわしにくいハンドを表すためである。
★スーツテークアウト
15〜6点までで際だったディストリビューションをしていないハンドは、単
純に1レベルもしくは2レベルでレスポンスするのが順当である。ここではジ
ャンプシフトするか、これに近い強いハンドについて述べる。
ジャンプシフトに必要な最低限の強さは普通16点だが、パートナースーツに
強いサポートを持っていたり、強力なスーツがあるハンドではこれより少なく
ても良い。
AJ93 5 AK10542 73
1Hには2Dレスポンスだが、1Sに対しては3Dとジャンプシフトする価値
がある。
AKJ973 64 AQ2 105
どの1オープンに対してもジャンプシフトする価値がある。
Q7 AQ65 K84 AJ108
これはジャンプシフトできるバランスハンドのミニマムである。
ジャンプシフトするかどうか境界上のハンドでの考え方は、点数やスーツの
強さといったことではなく、ジャンプシフトしないと次のビッドが不可能にな
ってしまわないかという点が重要である。
AKJ973 64 AQ2 105
1Hオープンに1Sしかレスポンスせず、パートナーが次に2Dとリビッドし
たと仮定してみよう。ここで何とビッドすべきだろうか? 3Sはノンフォー
シングだし、4Sではビッドが終わってしまいスラムルーズの可能性がある。
従って、3Cとフォーススーツをビッドせざるを得ないが、とてもこのような
ハンドを示すとは言い難い。
95 AKJ82 KJ6 K63
このハンドも1Dにジャンプシフトしないと、次の回、ほとんどのビッドに対
して満足のいくビッドをすることができない。例えば、2Dリビッドに対し、
3Cと貧弱なクラブでフォーシングをかけるはめになってしまうだろう。
一方、これとは対照的なハンドもある。
10 A105 KQ73 AQ743
1Sオープンに対し、ハンドの特徴を知らせるためにゆっくりビッドした方が
良い。2Cに対するパートナーのいかなるリビッドに対しても3Dというフォ
ーシングビッドがあるから困ることはない。
K1084 J AJ63 AK83
同様に1Hには2Cが最上のビッドである。これでどのようなビッドの展開に
も対処することができる。ここで1Sや2Sとは、くれぐれもレスポンスしな
いようにすべきである。強いハンドで弱いスーツをビッドするのは、特にジャ
ンプシフトにおいて、好ましくない。これは、AxxxとJxxxはゲームに
は十分なトランプであろうが、スラムには役に立たないことを考えれば明らか
であろう。
A753 K6 A1052 AKJ
1Hに対して2Sや3Dではなく、3Cとジャンプシフトする。スペードやダ
イヤをビッドしてサポートされると、トランプの質を心配しなければならなく
なる。スペードやダイヤモンドはパートナーにビッドする機会を与える方が良
い。もし、パートナーがクラブをレイズしてきた場合にはハートかノートラン
プでプレーすれば良い。
同様に、強いトランプサポートに基づいてジャンプシフトする時は、コント
ロールのあるスーツを選ぶ。
K2 AJ87 AK5 Q1073
二つの理由から1Hには3Dとジャンプする。パートナーのダイヤモンドのコ
ントロールに関する危惧を解消できることが一つ、もう一つは互いにクラブに
2ルーザーあるハンドで6Hをビッドする危険を減らすことができることであ
る。
4 パストハンドによるジャンプシフト
最初パスしたプレーヤは、パートナーのオープンスーツとフィットしていな
い限り、ジャンプすることはできそうにない。パストハンドによるジャンプシ
フトは、漠然と強さを示すのではなく、オープナースーツのサポートと役に立
ちそうなサイドスーツを保証するビッドとして使われる。これはワンラウンド
フォーシングでしかなく、ゲームビッドするかどうかの判断はオープナーにま
かされる。
K854 83 AQ843 95
サードハンドでパートナーは1Sオープンした。3Dとジャンプシフトし、ス
ペードのサポートと良いダイヤモンドを示す。これに対して、パートナーが3
Sしかビッドしなければパスする。
パートナーは次のようなハンドを持っていたとしよう。
AQ92 A7 K105 10742
これはミニマムのオープンであるが、トランプのアナーとダイヤモンドのフィ
ットに基づいて4Sをビッドできる。
AQJ106 KQ7 952 Q8
前のハンドよりは良いハンドであるが、ダイヤモンドの持ち方が悪く、トラン
プの強さは過剰であるから3Sでサインオフする。
AJ92 AK5 92 K763
ダイヤモンドが特にフィットしているわけではないが、HCPがあり、パートナ
ーが3Sまでレイズできる価値を示しているのであるから、4Sとビッドして
良い。
時にはオープナーがトライアルビッドをする機会に恵まれることがある。
W E
1064 8
AJ873 Q952
KJ2 A73
Q5 KJ843
W E
P
1H 3C
3D 4H
Eのダイヤモンドとスペードが入れ替わっていれば、4Sは魅力的なコントラク
トとは言い難いことに注意して欲しい。
パストハンドでは、ダイレクトにゲームレイズする価値を持っている場合でも
ジャンプシフトをするべきである。
K1094 6 A7432 K93
パートナーのサードハンド、フォースハンドの1Sオープンに対して4Sをビッ
ドする価値がある。従って3Dとフォースし、パートナーが3Sとサインオフし
ても4Sにレイズする。
P−1S−3D−4Cのように4レベルのニュースーツは、常にスラムを示唆
するビッドである。3レベルでは単なるゲームトライにすぎない。
以上
次回は、「オープナーのリビッド」です。
----
玉川事業所
記録技術研究所
記録技術研究企画課
塩谷 真 salt@csp.canon.co.jp
上へ |
前へ |
次へ