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From: SHIOYA Makoto
Date: Mon, 18 May 1998 17:41:33 +0900
Subject: Re: [BR] 丸の内杯結果報告#
塩谷です。
<2HXはいくつ落ちるか?> の結論版です。しつこいですが、ブレーク
の悪いトランプコントラクトのオフェンス、ディフェンスの良い勉強になりま
すから良く読んでください。
成田=清水ディフェンスに対して、私がデクレヤラーをやったとしましょう。
<図1> 1097xx ディーラーE、ボスバル
> 97
> Jxxx
> Kx
>
>J W AK865
>AJ632 S N 8
>Qxxx E AK10
>87x QJ65
> Q3
> KQ1054
> 65
> Axxx
O.L.= SJ→Sx(W),SK(N),SQ!(E):成田(N)の勝ち。
まず、私はスペードQを出しません。
Trick2= H8(N),H4(E),HJ(S),H7(W):清水(S)の勝ち。
Trick3= C8(S)→CK(W):ダミー(W)の勝ち。
Trick4= Cx(W)→CA(E):ディクレアラー(E)の勝ち。
この第4トリックで私はクラブを出さずにスペードQを負けに行きます。
Sはクラブをディスカードするとしましょう。ここまでで1勝3敗。
<図2> 1097
9
Jxxx
x
− W 865
A632 S N −
Qxxx E AK10
7 QJ6
−
KQ105
65
Axx
ここでダイヤK、A、10と出したとしましょう。私はラフ。クラブAを取
ります。これで3勝5敗。
<図3> 1097
9
J
−
− W 865
A632 S N −
Q E −
− QJ
−
KQ10
−
xx
ここでクラブxを出します。Sがダイヤをディスカードすれば9でラフし、
スペード10を出しクラブをディスカード。Sにラフされ、後はAに負ける
だけで、6勝7敗、ダウン2。
SがハートAでラフし、ハート2を出せばハート3つ取れて、やはり6勝
7敗、ダウン2。SがハートAでラフした後、ダイヤを出すとデクレヤラー
はクロスラフしてダウン1になってしまいます。
<再掲図2>
1097
9
Jxxx
x
− W 865
A632 S N −
Qxxx E AK10
7 QJ6
−
KQ105
65
Axx
図2に戻って、NからクラブQは、Aで勝ってクラブを出し、後は上記と
同様にプレーします。つまりダミーに入れたらスペード10を出してハンド
のクラブをディスカード(ダイヤでも良い)することによってダウン2にな
ります(わずらわしくなるので省略しますが、納得できない方は各自ご確認
ください)。
というわけでダウン2しかしません。しかし、上記のディフェンスには大
きなミスがありました。
それはハートJで勝った後、第3トリックでクラブを出したことです。こ
こではハートを出さなければなりません。Aをキャッシュしてからクラブを
出してみましょう。
(ところで、クラブの109はデクレヤラーが持っていました。これまでの
話では関係なかったのでxxで表わしていましたが、以下の話ではちょっと
関係するのでEのクラブをA109xとします。)
<図4> 1097x
−
Jxxx
Kx
− W A86
632 S N −
Qxxx E AK10
87x QJ65
Q
KQ10
65
A109x
デクレヤラーはハートを刈り上げることが出来ますが、そうすると自分の
ハートも無くなってしまい、この後スペード1、ダイヤ3、クラブ1取られ
てダウン3となってしまいます。
そこで、クラブx、J、Aとやってから、ハートを刈らずにスペードQを
負けにいきます。Sはダイヤを捨てることとしましょう。
<図5> 1097
−
Jxxx
K
− W 86
632 S N −
Qxx E AK10
7x Q65
−
KQ10
65
109x
ここまでで1勝4敗。ここでダイヤK、A、10とやられると後どうやっ
ても4つ負けてしまい、やっぱりダウン3となります。
図4から、クラブをKで勝って、更にクラブxを出してNのJをAで捕まえ、
クラブ10を出して9をエスタブリッシュすることも出来ますが、これも上記
と同様になります。スペード10がエスタっているか、クラブ9がエスタって
いるかの違いだけです。
というわけで、第3トリックでハートAを取ればいつでもダウン3します。
第3トリックでハートAを取ってからクラブを出すのと、ハートAを取らず
にクラブを出したこととの差異は単純で、それはダミーのラフを妨げたという
ところにあります。実は第3トリックでクラブを出しても、図2においてダイ
ヤQでSに渡り、ハートを出せば同様にダウン3するのです。名手成田君のこ
とだからダイヤK、10とかやって何とかパートナーの手に入れようとしてダ
ウン3させたかもしれません。
そもそも実戦での私の方のテーブルのNは、スペードKで勝った後、第2ト
リックでハート8をリードしなかった。これが最大のミス。成田君のハート8
は当然とは言え上手だったということです。
さて、長々と書いてきましたが、真面目に読んできた方には、ブレークの悪
いトランプコントラクトのオフェンス、ディフェンスのポイントがもうおわか
りになったかと思います。まとめてみましょう。
<ブレークの悪いトランプコントラクトのディフェンス心得>
1 ダミーにラフさせない。つまり、逆刈りする。振り込まないにこしたこと
は無いが、たとえ振り込みリードでも後で得することが多い。
2 ダミーのトランプが無くなった後は、トランプ勝負になるので、トランプ
のスポットカードはすべて記憶しておく。
3 トランプクー(下記参照)に備えて、パートナーへのエントリーやエクジ
ットカードを確保するようにする。
トランプクーの一例。下図でハートがトランプ。Sにリードがあるとして、
スペードxを出し、Eのトランプをサイドスーツを使って捕まえる。
無関係
x W Axx
AQ S N −
− E −
− −
x
Kx
−
−
<ブレークの悪いトランプコントラクトのオフェンス心得>
1 刈らないでダミーのトランプを使うようにする。ダミーにラフィングバリ
ューが無いように見える時でも、後々オポーネントが切らせてくれるかもし
れない。
2 ハンドの小さい切り札はラフに使ってトリックをかせぐ。トランプの長さ
はどんどん短くなっても良い。
3 トランプ勝負に備えて、トランプのスポットカードはすべて記憶しておく。
以上。
なお、誤解の無いように申し添えておきますが、通常の方法でプレーすれば
良いハンドも多々あります。つまりトランプを刈って、サイドスーツをエスタ
ブリッシュしてというプレーです。ディフェンスで言うと、長いサイドスーツ
を出してデクレヤラーをパンプするというプレーです。これらが有効だと考え
られるハンドでは上記の心得は忘れて普通にプレーしてください。
上記の心得は、トランプがバッドブレーク、エスタブリッシュするサイドス
ーツも無くて途方に暮れたという時に思い出して頂ければ強い味方になるでし
ょう。
実は、この通常の方法でプレーするか、上記の心得でプレーするかの判断が
難しいのです。「何だ、刈れば出来てたのか」というデクレヤラーのつぶやき
は良くある話です。
しかし、デクレヤラーはまだ判断しやすいのです。ディフェンダーの判断は
非常に難しい。パートナーの短いトランプが何なのか。無いのか(ボイド)、
シングルトンなのか。大きいのか、小さいのか。これによって方針はずいぶん
変わります。バッドブレークのトランプコントラクトをディフェンスしている
時、あなたが短いトランプを持つディフェンダーだったら、出来るだけ早い機
会に、つまりオープニングリードや、今回の成田君のように手に入ったらすぐ、
トランプを出してパートナーに見せてあげましょう。
大変長々と書いてきましたが、これでおしまいです。
と、思いましたが、バッドブレークのトランプコントラクトの実戦例をもう
一つお目にかけてから終わりにしたいと思います。次のメールをお楽しみに。
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玉川 B14材
塩谷 真 salt@csp.canon.co.jp
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